「MTB-Oの集い」リザルト


2002年5月12日。静岡県富士宮市にて本格的なマウンテンバイクオリエンテーリングとしては恐らく日本で初めての大会が行われた。大会プログラムはこちら。

大会で使用した地図。デジカメで取ったので、かなり見にくい。誰かスキャナ画像ちょうだい。


運営を手伝っていただいた静岡大学OLCのメンバーが、大会当日の写真を公開しています。暗かったので、ぶれている写真が多いですね。流し撮ってもらえたらカッコよかったんでしょうが。


MA
氏名 所属クラブ成績
大北洋平Extreme Chain2:33:03
相川 創Extreme Chain2:35:59
大谷享生Extreme Chain 2:50:37
伊藤邦雄とれとれ選抜 2:50:51
渡辺瑞樹Teamとんとら2:55:50
吉川浩樹ヨシカワサイクルレーシング 2:56:21
足立辰彦2:57:12
夏目保雄京葉OLクラブ2:58:58
三浦一孝3:04:13
大内直樹The Earth Player TRASCEND 3:05:07
内山雅文内山商会3:13:08
野畑清敬3:19:35
山下幸昭信玄組3:21:53
崎村健二チバポンズ3:22:52
渡辺充CHIBAPONZ3:26:14
真鍋典夫チーム・トランシェンド3:26:39
森山貴幸信玄組3:33:43
石川幸一3:43:06
塚田聖次牛込自転車倶楽部3:47:44
渡辺勇造大久保OLC3:52:21
関口道広奥武蔵SC3:58:49
金井塚文人 エクストリームチェインDNQ
信原 靖広航走の会DNQ
中村成伸多摩OLDNQ
市川正人 DNQ
中嶋 岳志DNQ
WA
小寺喜子3:19:32
藤原瑞穂Extreme Chain3:28:34
三浦陽子3:51:57
細谷みさき  トライシェンドDNQ
正岡知子Extreme ChainDNQ
吉岡恵美TEAM TRANSCEND DNQ
渡辺裕子CHIBAPONZ DNQ
伏見幸希子DNQ

以上の結果を受けて、以下の8人が7月1日からフランスのフォンテーヌブローで行われる第1回マウンテンバイクオリエンテーリング世界選手権に参戦することになりました。クリックすると、本人の大会の感想が見れます。

男子大北 洋平
相川 創
渡辺 瑞樹
内山 雅文
女子小寺 喜子
藤原 瑞穂
細谷 みさき
伏見 幸希子


通過者の声


大北 洋平

私は大学入学以来5年間オリエンテーリングを続けているので
ナビゲーションや読図の経験は十分積んだつもりでいます。
しかしMTB-Oとなるとランよりも高速移動となり、さらに
読図動作が難しくなるため、普段のリズムでオリエンテーリングを
するのは無理だというのはわかっていました。そこで1週間ほど前から
大学周辺の山林をバイクで回って練習し、
さらに選考会前日から近くの山林に入り、地図を読むタイミングや正置(地図と現地を
照合させる動作)の練習を行い、感覚をつかみました。

選考会のレース自体は、前半からやや遠回りでも安全なルートや舗装道路を
選び、また前日の練習の成果が出たのか、80%くらいのところまではノーミスで
クリアすることができました。しかし最後に来て気が緩んだのか
一つ手前の道に入ってしまい、バイクを担いで尾根沢を切るという目に遭ってしまい
このときはさすがにヤバイと思いました。
しかしまあゴールしてみるとまだ二人目だということで通過を確信し、
結果としてトップ通過することができ、ほっとしています。

これで晴れて代表選手となりましたが、私はもともとオリエンテーリング選手なので、
バイクに乗り始めたのは昨年「サロモンX-adventure」
に出場してからです。ですからまだライディングテクニックが未熟で
「とれとれバイク」などに出ると本物のバイカーの凄さに圧倒されます。
残り1ヶ月程度しかありませんが、できる限りのトレーニングを積んで
本戦に挑みたいと思います。


相川 創

START→5まで

さあ、スタート、と目の前の坂を登りだして…慌ててUターンする。これはどう見ても外周の林道経由だよな。そのまま主要道を行ってしまった人はかなりいたみたいだ。距離感を確認しながら、林道を上っていくが、全然イメージが合わないぞ。林道でこの状態で大丈夫か?林道から山道に入って1は難なくゲット。案の定、この区間だけでだいぶ抜いたようだ。
2に向かって走り出して、さっそく道を見失う。地図を確認すると、すぐ脇の尾根に乗っているようだ。道に戻っても、倒木、ガレ場に前日の雨と霧のせいで非常にストレスのたまる下り。仕方ないのでのんびりと下る。
道路沿いの2、3番コントロールをとって再び山の中へ。オリエンテーリングから遠ざかっているせいもあって、ルートのイメージがさっぱり頭の中で作れず、頻繁に立ち止まらざるを得ない。4に向けて登る分岐で並走していた大内さんと真鍋さんはそのまま下っていってしまう。そっちは地図の外だよ。さよ〜なら〜。
よくわからなかったのは5番への道。途中のオープンの切れ目辺りまでは把握していたんだけど、その先の道が大幅に拡幅されていて、???のままゆっくり下る。途中不安になってちょっとわき道に突っ込んでみるけど、結局わからず時間の浪費。合っている…ような気はするんだけど、…まあ、最悪下の道に出て確認すりゃいいか。と下っていくと5番コントロール発見。確かにコーナーが丸くなっていてわかりにくかったけど、通っているところは正しいな。

5→12まで

7までは長い道走りだ。ここはリズムを整えつつ、できるだけ頑張って走ることにする。時計を見るとすでに1時間を回っていて、どう考えても90分でまわるのは無理だ。林道ののぼりで小寺さんと藤原さんをパス。ほかの女性たちは大変なことになっているかも…。
7の周辺でうろついたのち(ここは道が沢の近くに書かれすぎていておかしいな)、12番までのダブルトラックの迷路地帯に突入。リズムをつかんできて、分岐の出てくるタイミングがだいぶ予想通りになってきた。こんなふうに頭の中のイメージが先手を打てるようになってくると面白い。1箇所変なところに突っ込んだ以外は、無難にこなす。できたら、このくらいの路面状態なら、まったく立ち止まらずに走り抜けられるくらいになりたいね。

12→16まで

国道を越えて、再び下半分に入る。小ピークの手前で道が大きく曲がっているところまでは何も考えずに走る。13はすぐに見えた。
そこからしばらくはガレガレの道でバイクを押して走る。修正の道のつき方がちょっと違っていてしばらく考えるが、いざとなれば14は舗装道路から上り返してもたいした事はないのでそのまま進む。この辺りはやたらとくもの巣が顔に引っかかる。先頭にはいるってことかな。
道路に出て、16まではひたすら踏んでいく。

16→GOALまで

16からはテープ誘導をたどる。林道をそのまま降りることはまったく気づかなかった。まあ、面白いルートを取ったということでいいか。
だいぶオリエンテーリング的感覚が戻ってきた。17まではこんな感じ。「左に尾根を見ながら下り、道が尾根に乗って少し行くと、オープン地帯に入って突き当たり。左前方の大きな沢を巻くように下ってからもう一度沢に入って右岸に取り付く」。ここのくだりはなかなか面白かった。
あとは舗装道路を行くのみ…あれ、通過したぞ。人の家に入ってしまった。で、引き返してもやっぱり通過。もう一度よーく見ながら行くと道は道路の下を通っているではないか!トンネル記号で書いてよー!斜面を担ぎ下ろして道をたどってゴール。

全体として

ナビゲーションしながら走れるスピードが思った以上に遅いのにはショック。おかげで体力的には足余りまくり。フットオリエンテーリング、スキーオリエンテーリングとやったことがあるけど、無難に走れるレベルを超えて速く走ろうと思ったら、MTB-Oの地図読みは一番難しいかもしれない。スピードも速く、足元も悪くて、路面状態など地図以外に見なくてはならないことが多いのだ。特に下りは、ルートのイメージを頭に叩き込んで走るしかどうしようもないな。本番までにこのへんの能力を鍛えておこう。


内山 雅文

 私は「とれとれ」はルートを「辿る」遊びですがMTBOはルートを「選択」する競技と感じました。そういう意味ではとれとれよりも思考能力や高度な判断が必要とされると思いますね。例えばコントロール1へ行く道ですでに相川さんと違うルートを選択してしまい担いでしまいました・・・。これがルート選択の実力差ですね。  レースが終わったあとで地図を見直すと別の道で言ったほうが早かったということがあちこち出てきました。レース中はいっぱいいっぱいですので気がつきませんでした。帰ってからいっしょに行った市川さんと野畑さんとルートを見直しました。たぶんコース作成者の方が思われたルートを「選択」していればもっと乗れる道だったと思います。私はかなり、担ぎ下ろしたり、担ぎ上げをしてしまいました。「悔しい!!」て感じですね。ちなみに35km程度はしりました。


小寺 喜子

MTBの地図読みツーリング“とれとればいく”にはよく参加していました。
地形図はまったく初めてというわけではなかったけど、自信があるわけでもなかった ので、リスクの少ない道を選択する作戦でいきました。
おかげであまり迷ってはいませんが、時間がかかりました。
意外なところを指摘されたのは帰ってからです。
「どうしてヤブの濃い方から行ったの?」という落合さんの言葉に「だって分かり易 かったから・・・。」と答える私。
エリアの植生をカラー表示してあるのにもかかわらず、私はオレンジ色のところ(立 ち入り禁止)を突破していました。
私の目にはただの白黒の地図でしかなかったのです。
オリエンって奥深いのね・・・。
そんな私が日本代表!?
世界の強豪相手ではいくらMTBばかり乗っている私でも走りで地図読みのカバーは できません。
本番まではOL中心のトレーニングを積みたいと思います。
フランス大会ではどんなエリア(テレイン?)か楽しみです。

今後のMTB−O・・・
「MTBに乗りながら地図を読む。」という手法は同じですが、とれとれは交通法規 や土地所有者の許可等の問題で、タイムを競うものではなく、ツーリングとして開催 しています。
MTB−Oにはもっと競技性が高いものとして、何か楽しみが得られるのではないか と期待して選考会に参加しました。
MTB−Oは自分の思ったところにポイントがあるとうれしく、宝探しのようなゲー ム性を感じました。
でも舗装路上のポイントや林道を往復するようなポイントにはがっかりしま した。
どうしたら面白いコースができるか考えました。
選択して正解のコースが面白かったらどうか、とかエリアがちがったらどうかとか・ ・。
MTBに乗って楽しいと感じることはこの際、考えないで、地図読みが楽しいコース を作った方がいいのではないかとも考えました。
今のところ、いいアイデアは出てません。
フランスで何か学べるものがあればと思っています。
また、どうやってもOL寄りの競技であることには変わりないので、自転車界よりも OL界へのアピールの方が効果があるのではないかと思いました。