第15回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

米谷 法子
2006年度 東京農業工業大学大学在籍

WUOC2006報告書


内容

  1. ユニバーまでの準備
  2. レースに対する評価
  3. 今後へのアドバイス
  4. ユニバーの感想

ユニバーまでの準備

4月のセレクションは3月インカレでの失敗からオリエンからは少し距離を置き(ほぼ無トレ)、 もちろん選考されたいと思ってレースに臨んでいましたが、久しぶりのオリエンでした。

4~6月上旬までは平日:朝or夜に40分以上のジョグ(雨の日などは家で筋トレ)、 週末にオリエンをやって体力を戻すように心掛け、院試日程も決まりミドルで走りたいと思うようになってからは、 ジョグ後に400mダッシュ2~3本を入れていました。 6月下旬以降は研究室から帰るのが遅く、ほとんどメニューをこなす事ができなくなってきており、 それがひどく精神的ストレスになっていました。

7月からはさらに院試準備が加わって週末の合宿などでしかトレーニングができなくなってしまったこともあり、 一人暮らしなので毎日の食生活は当初から気をつけてはいましたがより意識して食事をとり(もろみ酢、玄米など)、 その日の疲れを翌日まで持ち込まないよう睡眠時間の確保、 出来る時に短時間でもいいので筋トレなどして精神的な焦りをストレスにしないよう心掛けていました。

精神的な面では、院試とユニバーで集中できないし、本当に私が代表として行っていいのか? 他にもっと適当な人材がいるのではないか?でも、海外で走ってみたい・・・・という気持ちの鬩ぎ合いでぐちゃぐちゃと悩み、 辞退を何度も考えては周りの人になだめられることの繰り返しでした。 これも、かなりのストレス。 しかし、7月の壮行会で自分の言葉で意思表明をしてからは自分の中で気持ちの整理ができ、 ユニバーに対してはほとんど悩むこと無く生活ができたと思います。 この時点で、ようやく吹っ切れました。 ただし、常に卒論(研究室での実験)と院試、ユニバーのことが頭から離れず、 歯軋りなどで熟睡できなかったり精神的に不安定であったので、 マウスピースをしたり親や友達に話したりして色々と溜め込まないように自分なりに気を付けてはいました。

レースに対する評価

17日ミドル競技 4.6km↑160m、77人出場

47. Noriko Yoneya JPN 41.29 + 9.59

私は今回が初めての海外遠征ということもあり、どのような目標設定をしてよいのか分からなかったので、 目標として「日本人トップ」(もしくは、過去の日本人選手の成績からトップ比135~140%くらいで帰ってきたい)と思っていました。 この結果はその時の私にとって、最高のパフォーマンができたと思っていますし、目標が達成できた意味でも自分なりには満足しています。 ただ、まだまだ自分は体力的・技術的に追い込むことは可能であり、また世界で戦いたいと今は思っています。 基礎体力の向上はもちろん、脱出のスムーズさと直進の確実さ、地図読み走などやれることはだまだあり、 もっと努力しなきゃいけないとも感じました。

自力で辿り着いた1~3ポは平均30位後半、

4~6ポの優勝者との併走は平均30位。

自力の6~7ポで大ツボり74位(最下位)

7~12ポでのファシュタ(3人で)は平均20位。

自力の12~ラスポは平均60位。

今回のレースで最も印象に残っているのは、8→9ポでのファシュタです。 (ロシアとウクライナ?選手)私は最後に8ポからコンパスセットして出発し、 あそこの尾根のピークだー!!と片斜面を思い切り走りました。 追い付くとロシアは上、ウクライナは下を走り、足の速いウクライナ選手がドンドン下の方向に走っていくので焦りましたが、 信じて走って一番初めに辿り着けました。 昔の私ならば、不安になって立ち止まっていただろうに、NT合宿などで何回もファシュタ練習して、 とにかく集団に付いていく事、惑わされない事を意識して走ったことがこのような成果として出来てよかったです。 それに、短時間に地図を読み、方向維持と少ない情報量で辿り着けたことに自分で驚きました。 短いレースの中で、他国の選手と競いあえて良かったしとても楽しかった。

しかし、これらの7~12ポでの長いファシュタをほぼ全速力で走ったせいで後半ばて、 2選手には途中で置いていかれてしまい、持久力では完全に劣っていると感じました。 日本女子選手の14~ラスポまでの道走りは誰もが60位前後のラップであり、 加えて私はこの道走り区間で足はかろうじて動くのに、息ができないような肺の痛みを感じたことからも、 基礎体力を向上させる必要があったと思います。 その他にも、外国人選手の脱出がスムーズで脱出のたびに離され (コンパスの止まりが悪く立ち止まって正置、遅い地図読み・ルート検討しているので遅れる。 追いかければ追い付くが、それで疲れる)、彼女らはほとんど止まらずに手続きをしていることからも、 今後は速いオリエンに慣れることが重要であり、脱出のスムーズさと直進の確実さ、地図読み走などやれることはだまだあると思っています。

今後へのアドバイス

日本食は持っていった方がいいかも
私はパン・ハム・チーズの種類が変わるだけの食事に飽きました。 黒糖を日本から持参しており、これで凌いでいました。
海外旅行保険には安いものでも入っておいた方がいいです。
海外では何が起こるかわかりません。

ユニバーの感想

世界の学生の中で自分はこのくらいなのだと評価できて良かったし、とても楽しかった。 トレーニングキャンプではカルストといった日本にはあまりない地形で2回も練習でき、 外国人と一緒に走ることが出来たことは良い経験であり、オリエンテーリングを続けていく上でのモチベーションの維持に繋がりました。 今回の結果に満足はしていますが、院試&研究室&ユニバーをこなさなければいけない限られた時間の中で自分のできる限りの努力ができ、 それなりの結果を残せたことに対する満足感であって、欲を言えばもう少し順位が上だったらと思っています。

今回このような機会に恵まれたとはいえ、それまでには迷うことが何度もあり、途中で何度も辞退することを考えましたが、行ってよかった。 行かせてもらえて良かった。 今は本当にそう思えます。 精神的にダメになりそうな時に、応援してくださる方々がいると思えることで、頑張れたことが何度もありました。 自分が多くの人に支えられここまでこられたのだと実感、本当に感謝しております。 世界大会に出場できたことはもちろんですが、それまでの過程で経験してきたことも糧にし、 これからの将来において様々な場面で活かしていきたいと思っています。 最後ではありますが、今回の遠征にあたりみちの会をはじめとする多くの方々よりご支援&応援をいただき、誠にありがとうございました。


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