第13回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

塩田 美佐
2000年度筑波大学卒

報告書


内容

  1. ユニバーの感想
  2. ユニバーまでの準備
  3. レースの結果への評価・反省点
  4. その他
  5. チームに対する要望
  6. 今後の自分

ユニバーの感想

ユニバーは2回目でしたが、"リベンジ"ではなく"新たな出発"という気持ちで望みました。前回は、とにかくがむしゃらに夢中でOLしていましたが、今回は、周りの様子も見つつOLできました。そして、きちんとOLできたところも多く、今回の遠征は、私に今後への期待と自信を与えてくれたものになりました。

ユニバーまでの準備

私の武器は、「おもいきりよくやること」にあると考えがまとまっていて、このユニバーでもそれを軸にOLしようと決めていました。そんな中で、今回のユニバーはブルガリア。そこでまず、ブルガリアテレインの地図を見て対策をたてました。

目標は、経験から達成可能だと思われるクラシカルtop比130%以内。ショートは予選を通過してtop比130%以内としました。

そして、O Lが思い切りでき、かつ目標を達成させるためには何が必要かを考えました。その結果、ユニバーまでに行うこととして、以下の事を決めました。

  1. 直進に自信を持つ→技術。経験上、「絶対にこれは使える」というものを1つ備えている事は、テレインに入った時やレース時において大きな自信になるとわかっていたからです。ブルガリアと自分の現状を考慮してこれに設定しました。
  2. スピードをあげて走れるよう、シンプルプランを立てる。→地図読み
  3. 体力・根性をつける→体力トレーニング

具体的に、実際に行ったことは、

  1. 週に3回は地図を使ってひたすら直進のコースを組んで練習。まずは、手続きの流れの確認。次に、レースに合わせてハイスピードでおいこんで行う。そして、自分の傾向をつかみ直進はいつでもOKという自信をつけるという感じでした。合宿では、直進できるところはとことん練習。
  2. 毎日寝る前にコースを組んでルートプラン練習。この時、イメージ練習も行いました。また、1日1回は地図読み走を行いました。学内で行う時は、地図があったので、歩測・周りを見る練習・イメージ練習・手続き確認練習を行いました。
  3. 体力トレーニングサイクルとしては、月:大会後のため軽めにジョグ、火:LSD、水:ジョグ、木:スピトレ、金:長めにジョグ、土・日:OLという感じでした。そして、それプラス朝5km体をならすために走っていました。数値でいうと200km/月以上走りました。なるべく不整地を走るようにし、筋トレで上半身を鍛えました。よく大会が近づいてきたらトレーニング量を減らすといわれますが、私の場合は、それが逆にストレスになるので、トレーニングペースは一定で行いました。ただ、疲れていると感じた時は、積極的に休養を取るようにしました。

そして、以上のような日々のOLトレーニングにおいて、常に「ユニバーだったらどうする?」「ユニバーでは必要だ」「今見えるのは外人だぞ」等"ユニバーシミュレーション"的に取り組み、スムーズにブルガリアに入っていけるように配慮しました。

また、過去において、狙ったレースで結果をしっかり出せていないことにコンプレックスをもっていました。このユニバーはすごく大事な大会でもちろん狙っている大会。そこで、1ヶ月に1レース(3月は全日本、4月はユニバー選考会、5月はNT合宿レース、6月は東大大会、7月は一宮砂丘練習会)を重要レースと勝手に設定して、現状を把握すると共にユニバーだったらということで行いました。その他の時は練習として取り組むことに徹しました。

レースの結果への評価・反省点

目標としていたショート予選を通過できたことは、自分の中では非常に評価できると思っています(狙ってできたという意味と、日本でも通過は十分に可能で決して難しいことではないという意味)。決勝に関しては、ミスをしないようにしないようにと、大事に大事に進んでいて思い切りにかけてしまっていました(思い切り走ればいいのに何か周りが気になったり、なんか、体が前に行くのを拒んでいるという感じ)。これは、技術不足(実力不足)ということもありますが、予選とはレース中の精神状態が明らかに違いました。予選を通過することに関しては、前回の感触と自分の状態を考慮して可能性はすごくあると思っており、目標達成までの実感がはっきりし、絶対実現させてみせるという思いが強かったです。一方、決勝では130%以内でOLするという目標をかかげてはいましたが、どうしたら達成できるのかがはっきり定まっていませんでした。未知の世界ということもあり、とにかくやってみて達成できればいい、というあこがれになっていたことが大きな要因であったと思います。「予選通過」ということに焦点が集中してしまっており、より重要な決勝がおまけ的扱いになってしまっていました。目標達成への実感をもつこと、もてること。そして、自分の実力に実感をもてること、は非常に大切であると感じました。

また、今回、体力的にリレーが一番つらいものでした。前半の2・3ポストまでは、外国選手もいてかなり追いこんでいて、後半は体力切れの感じを受け、砂地帯では足が動かず、いっぱいいっぱいで頭の中が真っ白状態でミスの連続でした。体力面については、それほど練習としても特別にメニューは大きく意識はしていなくて、「今までの練習」でつく分だけで大丈夫と満足していた所があったので、甘かったと反省。今回のレースで体力も技術に影響するのだということを見逃していたことに気づかされました(今までは自分で感じたことはありませんでした)。

また、今回スピードを上げた状態で、いい感じで気持ちよくOLできたところは数多く存在しました。そのようにできた中で、1つ大きく得た感触があります。それは、単純なところ(地図読みが少なくてすむような所)では、思ったほど大きな差にはなりませんが、ちょっと地図読みを要したり・足場が悪くなるととたんに大きく差が開くということです。このことを前向きに考えると、そこを克服できればまだまだ上へ行ける!と素直に感じ、期待感が膨らみました。そして、今後のトレーニングへの大きな収穫になりました。

その他

今回、つかれがたまった状態でのレースというのはありませんでした(いままでは、疲れがたまった状態でのレースがありました)。この理由は、テレインの性質上のものなのか、ケアの問題なのかはわかりません。ただ、いままでと違かった点といえば、テレインの性質は除くとして、レース終了後毎日マッサージをしたことでした。今後は、マッサージをきちんと行い様子をみてみようと思っています。

チームに対する要望

合宿が何回もあり、大会がない時期としては、山に入ってOLをする機会が設けられてすごくよかったです。合宿メニューでは、男子と比較できるコースが多かったので、目標実現へ向けてのいい目安・刺激になりました。

今後の自分

今後は、自分のOLに足りないところを身に付けつつ、いいところはどんどん認めて武器にしていき、課題を克服していこうと思います。考えて実行して反省して、という地道なサイクルでレベルアップをはかり、「挑戦」し続けます。期待が見えてきただけに、この状態ではまだ終われません。


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