第12回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

高橋 善徳
年度大学卒

報告書


内容

  1. 準備
  2. トレーニングキャンプ
  3. ユニバー本番と全体をとおして

準備

4月に早々とユニバーに参加できることが決まりその前に富士でのワールドカップに参戦した。WC終了後に、自分のOLスタイルについて、疑問と、改良の必要性を感じた。その中での答えが、「負荷をあげた中での正確性の維持」であった。WC以降、この目標を掲げて、練習を積むことになる。しかしその一方で、rスピードを落としても正確性をあげトータルとしてレース結果をあげる」という自分の本来のスタイルヘの迷いもあった。結局数多くのレースをこなす中でその両方を行ったりきたりという状態が続いた。富士での合宿でこのことについて村越さんに質問したことがあったが、結局速い方のスタイルをとるべきだろう。という話に落ち着き、フィンランドでのWC以降は、全体としてまとめた方が速いという結論を出して、ユニバーまでのレースを消化した。

オリエンテーリングについての話はこうだが、フィジカル的なトレーニングはかなり充実したものであったと思う。

トレーニングの中心は、

他の日は墓本的に疲れを抜くためのジョグ(4~10キロ)であった。体力的な調整は、まあまあであったと思う。いや、良くもなく悪くもなくといったことろであろうか。疲れに対しては非常に気を遣っていたっもりであったので、このあたりは評価できるのではないかと思う。7月から8月には、疲れを抜くためのジョグのときに、徹底して地図読み走を行った。地図読み走をすることによって大体の感じはつかめたし、プランをしていく中で、この情報は現地で確認しようとかそういう事も考えることができた。ただ、この練習は非常に集中力を必要とした。

4月の選考会が終わってから、「ショートAファイナル出場」が自分の最大の目標となった。

トレーニングキャンプ

現地に着いてトレーニングキャンプに参加したわけだが、はじめは明らかに調子の悪さを感じていた。しかし、それは長旅の疲れであろうと考えた。案の定2日目からは、そこそこのレースができるようになっていた。しかし、インカレ前のようにつぼる気がしないというところまで感じることはできなかった。フランスに行く前は、トータルとしてまとめることの重要性を感じていたが、予想以上に走りやすいフランスのテラインと俊介の調子のよさに引っ張られスピードが上がった。その分、ミスの頻度は高くなったし、大きくなった。しかしトレーニングキャンプでは、そこまでミスを過大視していなかったため、あまり気にならなかった。それよりも、いいタイムで走れているという感じをつかむことの方がその時の自分には必要だった。トレーニングキャンプでのレースでもコントロールに正確にアタックするというよりは、円の中にいかに速く入るかという点のみに課題があり、時にはポストが見つからないのに大体このあたりだろうと見当をつけ、次のコントロールに向かうこともあった。このあたりのいい加減さが、本番のレースで露呈されてしまったのではないかと後悔している。

ユニバー本番と全体をとおして

いよいよユニバーのレースを迎えることとなった。クラシックについては、トレーニングキャンプの延長のようなレースになってしまった。大きくミスをしたことろは、明らかにアタックでのミスであった。アタックがいかにいい加減であったかを示すには十分なレースだった。山はずいぶん走りやすく、前半は快調に飛ばせた。ただ、我慢するべき所で我慢できなかった。次の日はショートの予選であったため、アタックでのいい加減さにのみ注意を払った。ショート予選の走りは自分でも納得のいくものだった。今自分が出せるミスをしない最大に近いスピードで走ることができたし、ミスも少なかった。走り終わった後は、絶対に通過できると思っていた。でも通過することはできなかった。テライン的な不利もあったのかもしれない。かなりスピードが出てかつ簡単なコースであったため、トップはキロ5分で走っていた。僕もキロ5分半ではしれたのは初めてだった。ミスを洗いざらい出していくことは可能だし、それを考えていけばひょっとしたら通ったかもしれない。でも、一レースでミスをまったくしないなんてことは考えられないし、ミスを小さくしていくことが0Lだとすれば、このレースはベストだったし、そのレースでだめだったってことは、基本的なスピードの不足に他ならないと恩う。(ポスト回りもそんなに遅くなかった)すべてのレースに当てはめることは不可能だと思うが、少なくともこのレースではそうであった。ショートの決勝は上位の成績をねらっていた。一桁の数字はけして不可能な数字ではなかった。ミスはひとつしかしていないし、そのミスをのぞけば俊介と同じくらいのタイムは出ていたからだ。しかしミスをした。リレーのレースもそうだった。前半で10分以上のつぼりをしてしまった。技術的なものというよりかは、精神的な面が大きい気がする。今走れといわれればきっときっちり走れると思うし、走る自信はある。それは、あまりストレスを感じていないし、体力的にも疲れが溜まっているわけではないからだ。余裕を持ってスタートできるだろうし、周りも良く見えるはずだ。しかし、あの時の自分にはそれができなかった。しかしショート予選ではできていた。ショート予選が簡単なテラインであったというということもあるだろう、しかし、簡単だろうが難しかろうがミスをするときはするし、しないときはしない。そう考えると、やはり精神的な面が大きいような気がする。少なくとも自分にとっては。いや技術的な面も詰めていかなければならないことはわかっている。しかし、今回のように日本的なテラインでのミスは技術的な要因だけではないと感じさせる。ショート予選に関しては明確な目標があったし、その目標を達成しようと集中できた。切れそうになったときも、その明確な目標が支えになった。他のレースではどうか、「良いレースができればいい」はしる前はそう恩っていた。それは本心だったしそうなるように努力もしてきた。明確な目標などなかった。レース中自分を鼓舞することなどできなかった。自分を自制することなどできなかった。「勝つために結果を出す」のレースをすることなどできなかった。そういった考えそのものが自分のレースを作っていったような気がする。スピードをあげてレースすれば集中力が切れるのは当たり前である。その時自分を奮い立たせるのは、明確な目標でありそして勝利(何を勝利とするかは人それぞれ)への貧欲さだ。はっきり言ってそれが足りなかった。ここまでいろいろな世界戦を経験したが、今まですべてのレースでそうだったと思う。日本の代表として走らせてもらっているのに、今ごろこんなことに気づくなんて申し訳がない。今回は、学連から多大な援助を頂いている。そういう中で結果が出せなかったことはすごく残念だ。自分の中には経験として今回のユニバーが活かされるかもしれない。しかし、学連、その他の多くの援助してくれた皆さんの中には何も残らない。そういう意味で、とても結果が欲しかった。終わってからしか気づかないのかもしれないが、今度ユニバーにいく決意がある人はそういうことも考えて欲しい。

失った信頼は、結果を残すことでしか回復できないと思っている。このユニバーの経験を絶対に無駄にしないように、そして来年には繕果を出せる選手として成長しているようになることを約束したいと思う。


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