第12回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

塩田 美佐
年度大学卒

報告書


内容

  1. 事前準備について
  2. レースの反省、評価について

事前準備について

体力面では、月200キロのぺ一スで走っていた。内容は、火曜日に10キロくらいのLSD、木曜日にスピードトレーニング、土、日曜日は大会で、他の日は夜遅くなりつつも5,6キロのジョグ、朝も週に3回くらいは5キロのジョグ。といったかんじであった。不整地を走ることを心がけた。私は、体力的なトレーニングの仕方が分かっていなく、一般に大会間近になったら"疲れをとるように''といわれていたが、走り終わった後は疲れているものの、1日たっと、回復しているというのが日常だったので、その必要性を感じていなかった。だから、量を減らした時はあったものの、同じ調子でトレーニングをしていた。ただ、ユニバー出発直前で走ることに支障はなかったのだが、足をひねったので、湿布を貼って対処した。
技術面では、直進がレースで毎回どうしてもうまくいかなかった。この原因は明らかでコンパスをふりっつも、まわりを気にしすぎて途中で適当に修正してしまうからであった。だからといって、まわりを気にしないと不安になリゆっくりになってしまう。ということから、苦手意識が高く、このままではいけないということで、公園等を用いて集中して練習をした。こうすることで、多少は自信が持てたものの、不安はゼロにならなかった。結局、この不安はレースまでひきずることになってしまったので、もっときちんと解決しておくべきことであった。それから、地形を見ることが劣っていると感じていたので、地図からコンタを中心に読み取りインプットするということを週に何回か行っていた。フランスの地図が手に入ってからは、それを見てイメージすることで現地でのギャップを減らそうとした。
精神面では、日本代表としてレースができることが光栄だったので、十分に気合いが入っていた。

レースの反省、評価について

トレーニングキャンプでは、道が発達していたこともあり、行きすぎれば止まれたため、スピードが出て気持ちよくメニューがこなせた。とりあえず丸の中に行くことはでき、しかも、丸の中に絶対にいるという確信も持てた。問題は、そこからポストまでどう動くかということであったが、まわりを見渡すと、自分がわかるものがみつけられたので、リロケートはそれなりにスムーズにできた。そのため、満足というか、安心憾が生まれた。そこで、実際のレースでもうまくいくだろうと恩っていたところに落とし穴があった(丸の中に入れるというくらいの精度の直進ができていただけだったのに)。実際のレースでは、っぼった時にあせりが生じ、現地と地図が一致しなくてトレーニングキャンプのようにうまくはいかなかった。
ユニバーでの目標としては、数値的には全く見当がつかなかったので掲げず、自分の力を最大限に発揮すること、というおおざっぱなものであった。といっても、いい結果を出したいというのが、根本にはあった。ここで、日本でのレースは、心の持ちようとして、'いいレースをする'→'結果はついてくる’。だったのだが、このユニバーでは、'結果を出したい'→'いいレースをする'といった感じだった。このため、私は、地図読み能力が劣っているという意識があったので、そこでの時間的ロスをスピードで少しでも埋めようと思ってしまい、スピードをかなり意識してしまっていた。
クラシカルでは、アタックポイントをきちんと確定する手続きを怠り、あいまいなところからアタックしてしまいミスするところが多かった。確定しなかったのは、見えているから平気だろうなどという甘い考えがよぎったからである、こうさせたのは、速く行きたいという気持ちからである。ちょっとした手続きの怠りが、大きなミスを引き起こした。ショートの予選に関しては、クラシカルの感じでは、A-finalは夢ではないと感じた。可能だと思った。実際のレースでは、途中までは直進がいい感じで使えていて、レース自体やっていて非常に気持ちよかった。そのため、直進に自信が持てていた直進はぴったりあたるという感じになっていたため、はずれたときのことを意識しておくことが欠けてしまっていた。なので、はずしてしまった時に、リロケートに困ってしまった。平常心でいたなら、簡単にリロケートできたはずなのに動揺してしまい頭の中はパニック状態であった。リロケートに関しては、ミスを予測していると変な所にでてもすぐに安心して修正できるが、予測していないとおそらくここだろうと思っても、不安でしょうがなくうろうろしてしまう傾向があることはわかっていた。そこで、ルートプランをする時にまわりの情報も頭に入れておくということを意識して日本で取り組んでいたのだが、心理状態の悪化が助長してか、頭から抜けてしまっていた。地図読みがきちんとできていないのに進んだことに大きな要因がある。地図を読むのには時間が必要だったのに、スピードに気がいってしまい、読んでいなかった。結局、本来しっかり地図を見た上で、スピードを出すべきなのに、気持ちのみが先にいき、地図をしっかり見ずに、動き出してしまったということが反省すべき点である。また、スピードということに関しては、地図をよく見たつもりでも、自分にとっては注意を要するところだから慎重にやらなくてはいけないのに、根拠もなく自信を持って勢いにのって進んでしまうこともあった。
ショートの決勝では、足がはっていて思うように動かなかった。足が重かった。日本でのレースで、こんな状態になったことはなかったので驚いていた。どうしてそうなったのか、理由は今でもよく分からない。ただ、前日の予選では、平らな山の中を日本では走ったことのないスピードで始めから終わりまで走りとおしたことが、足に負担になったのかもしれない。
4レースとも、ミスしたときのミス時間が非常に長くて致命傷になった。ミス時間が長いところというのは、長めの直進をしていて目標物(CP)にたどり着けなかったときであった。自分がいると予想される場所の範囲が広くいろいろ見えるには見えるが、どれか確定できないので、進めないといった状況であった。レースを重ねる毎に、CPの設定の仕方に気を配るようにし(絶対わかると思っても、複数の情報を複合するなど)、周りを見ることも意識するようにした。しかし、周りを見るには見ていたが、ボーツと見ているだけで、意識は目標の場所1点に集中してしまっていた。それに加え、スピードが出ていた所がいけない。そんな感じでユニパー中、現地と地図の対応ができなかった。また、歩測は、トレーニングキャンプ中に行ってはいたが、使いこなすというところまでは達しなかった。(今まであまり意識していなかったので、当然といえば当然のこと。)
このユニバーで、これからはまず、'どんな状況、状態でも自然とやるべき手続きが無意識のうちに行える'ぐらいまでのながれを確立すること(はじめに基本技術から)が必要だと感じた。そして、スピードをコントロールでき、地図読み能力を向上させることが必要だと感じた。
今回初めてユニバーに参加して個人的に恩ったことだが、一人でいいので、気楽に話せる話し相手(女子のほうがいいな)がほしかった。(村越さんは、いろいろと忙しそうだったので)多少、甘えの部分があるかもしれないが、レースがうまくいかずに悩んでいたり等(他の選手の人にはその人なりの時問があるし、話しにくいこともあるし)の話を聞いてくれて、ちょこっと何か言ってくれる程度でいいので、癒してくれる?人がほしかった。1対1で相談できる状況があったらいいな一と思った。そういう訳で、可能ならば村越さん的立場の人のほかに、もう一人(女の人がいい)いてくれたらいいのでは、と提案。(今まではいたらしいのですが)
事前準備のところで書いたが、トレーニングの仕方が分からない。口でいろいろ言われても、私は違うと思ってしまう。根拠を持って示してあれば納得して考え方が変わるかもしれないと思う。これに関してはどうしたものかと思う。
最後に、個人的には、自分のオリエンテーリングを見直し、今後、やるべき方向性が見えて、いい経験になった。しかし、日本代表という立場上、大事なレースでカを発揮することができず、みんなの期待に答えられなかったことは、非常に申し訳なく、恥ずかしい。そして、チャンスを、しっかりと生かせなかったことが悔しい。このユニバーで、世界のオリエンテーリングを肌で感じ、今後日本のレベルアップに貢献したいと思った。


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