第12回世界大学オリエンテーリング選手権大会報告書

赤石 英美
年度大学卒

報告書


内容

  1. 準備
  2. トレキャン
  3. レースの反省
  4. これからに向けて
  5. 最後に

準備

準備はしないに等しい状況で出発する運びとなりました。まず、セレクションでは、通過するとは思っていなかったのですが、通過することができました。通過後すぐの段階では、折角通過したんだから、やることをやって行こうと思いました。それは、通過できなかった人に対する、義務みたいな部分ですね。自分より意識を高く臨んだ人もいるだろうから。なのに私は、すぐに身動きが取れなくなりました。徐々に、仕事が忙しくなってきたことが直接の原因でしょうか。昨年1年目の時には感じなかったプレッシャーや、責任等がたくさんあるものです。部署が変わったこともあり、初めて杜会人になった気がしました。仕事の上で、自分って一体なんのためにここにいるのだろう、誰かが自分を必要としているのだろうか、など、そう考える必要のない路線にはまっていった私は、何をやっても自身ももてないし、オリエンテーリングも中途半端だし、トレーニングをする時間も取れないし(物理的には取れない事はないのでしょうが、夜遅く帰ると、その気も起きなかったのでした)。私はユニバーに参加すべきなか?そう疑問に思ったこともありました。実際、そういう気持ちで臨むなら、他の学生に、その場所を譲ればいいだけなのです。なぜか私にはそれができませんでした。前回ユニバーに参加したことが一番大きかったと思うのですが、そのときに私は、すべてのレースにおいて、なにも収穫がない不毛なことをし、情けない思いで帰国した思い出があったからかもしれません。

ユニバーに参加する他の学生との実力的な差も、当然感じていましたが、これに関しては、比較してもしょうがない事だと割り切ることができました。中途半端な状態のまま、出発日は近づいて、「会杜は、もういい。」そういう結論を持って、フランスヘと飛びました。

トレキャン

トレキャン中は、国内1ヶ月前くらいに明確になった「方向維持」という課題がそのままでした。毎日、走れない、方向維持ができない、ルートプランがまずい。毎日、うまくいかないことを反甥しつつ体力不足のために恐ろしく疲れていました。また、食べ物がとてもおいしかったため、胃袋と相談しないでつい食べてしまうと、余裕でオーバーカロリーになってしまい、これもまた走りに影響を及ぼしていたように思います。初日よりは2日目、それよりは3日目、と、自分の中では整理されていきましたが、日本の他の学生との力の差は、ここの時点でも思い知りました。当然だと思いながら、すごく悲しくなりました。

トレキャン終了時には、競技中、どこでどの課題が要求されるかを意識して取り組めるようになりました。日々そうでしたが、人は人、自分は自分。自分にないものを羨むのは仕方ない。それは自分が作った結果なのだから。そう思っていました。

レースの反省

クラシック。スローなテンポのレースを展開しました。7㎞とかを走りきれる気がしないためか、競技はしているだけど、常に今の自分にやさしいぺ一スで走りつづけていました。実際のところ、自分の目の前にあらわれることを処理し、処理しを繰り返し、1ヶ所すこし大き目のミスをして...

前回のユニバーで、ひどくけちょんけちょんだったため、そうではなかったというちょっとした満足がりました。だから、ゴールした直後、自分の出したタイム、内容に格別の疑問を抱きませんでした。でも、他の学生の話を聞いてみると、かなりミスをしているのに、私よりもよほど早いのです。これはちょっおかしくないか?私。そう思いました。結局、あまりにレースをするぺ一スにしては遅すぎる、追い込まなすぎる。

この日のミーティングで、団体戦は「ショートの結果を見て決める」ということが伝えられました。今ままでは絶対にだめだ。2年前と何ら変わらない。私は何をしにフランスまで来たのだろう。私は、予選で、追い込んで走ること、方向維持の徹底を自分自身に誓いました。

ショート予選で。だめなんて思わない。今もっている全力を出しきって、負けてしまうのはしょうがない。でも、それすらも出せないのだとしたら、このレースを走る意味もない。そう思いました。走り出してから、ミスはありました。でも諦めませんでした。失敗は最小限に食い止める。それ以上の無駄なことはしない。一生懸命走っていた記憶があります。自分にしては、まあいいレースを展開できたと思いまた。詰めが甘い部分はあるけれど、昨日の私とは違う。「走ろう」と思って走ったのだから。

私は2度、3度と成功を積み上げていくことをずっと知りませんでした。調子がよかったから、とか、なんとなく、とか。だから、B決勝で、もう一度納得のいくレースをできるのかが非常に不安でした。でも、スタート前までに、「自分は自分。積み上げていくしかない、あとはとにかく諦めない」、そういう気持ちになれました。後半、ミスをしました。きちんと自分を制御すればできたはずと思いながら、諦めずにゴールヘ。「私はがんばったぞ」みたいな気持ちがあって、もうこれで駄目なら仕方ないと思いました。

ずーっと団体戦への気持ちを持ち続けて、団体戦に臨むことになりました。塩田さんや、走れないほかの人達、いろんな人達に対する感謝の気持ちでいっぱいでした。きちんとやることはやって帰ってこようと思いました。4走で、わたしはきちんと走って戻ってくる。途中でペナになったことがわかりました。でも私は日本女子の4走で、つないで必ず帰ってくる。ポストまわりできれいにつけなかったので、抜けてアタックしなおす等の判断で、何とかはしっていました。タイムは早くはないけれど、きちんとポストにつくためのことはしている、そう思っていました。けれど、終盤のロングレッグで、取り返しのつかない大きなミスをし、その後も、ラスポにつくまで持ち直せずに引きずってしまいました。悔しかったです。

本当は、情けない自分に対して悔しい。準備をしなかった自分、いろいろなことから逃げた自分。そういう状態で、自分の中で前回のユニバーより結果残せた、それは何を意味するのか。もうすこし咀嚼しなければなるまいと思いました。

これからに向けて

ユニバーで得たものは、今後の自分の人生に大きく役立つと思っています。ただ、それをオリエンテーリングの世界で活かせるかどうかは、今の時点ではわからないのですが、自分の下にはたくさんの後輩がいて、オリェンテーリングがとても好きな学生、ガッツのある学生たちがたくさんいます。この後進に対して、サポートをしていけたらいいと思っています。後輩たちには、「自分が後悔しないと言い切れるような準備を目指すこと」を伝えたいです。

最後に

ユニバーに参加するにあたって、応援・サポートしてくださった皆様、本当にありがとうございました。


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