O-MAPって何?
O-MAP とは、オリエンテーリング用の地図のことです。O-MAPには、普通の地形図にある地名や山の名前などの固有名詞は表記されていません。逆に普通の地形図では、表記されないような細かい地形や崖、小川、森の中の通り易さなどが記載されています。

オリエンテーリングでは、地図が非常に重要です。競技者は、未知の地域に地図1枚を持って、地図から得られる情報のみでルートを決定し、コースを廻ります。従って、地図からいかに多くの情報を読み取れるか(地図を読むといいます)がポイントになります。特に、等高線を読み取って地形を想像できることが要求されます。
地図読みがうまくできないと、遠回りをしてしまったり、余分に登ったり、コントロールの直前まできて中々たどり着けないということになります。
左は、O-MAP の一部です。色で以下を表しています。
黒色:道、小道
茶色:等高線(地形)
青色:小川など
緑色:植生の通り易さ(4段階で表す)
黄色:開けたところ

縮尺は、1:10000 または 1:15000 が多く使用されています。等高線の間隔は、普通は5m間隔です。起伏の少ないところでは、2.5m間隔の場合もあります。

左の図には、縦の黒い線がありますが、これは磁北線です。磁北線というのは、コンパスの磁針が指す方向です。通常の地図では、真北(北極点を指す)が上になっていますが、O-MAP では、磁北を上にします。
磁北点は、カナダの北方にあるハドソン湾付近にあるので、真北と示す経線と磁北線がずれます。
真北と磁北のずれを「磁針偏差」と呼びますが、これは地域により、方向と角度が異なります。日本では、西偏5−10度となっています。東京では、7度西偏です。7度の違いはかなり大きく、このずれは、1kmで122m になります。

O-MAPは、非常に細かく調査されています。たとえば、道の太さです。左の図では、黒の点線が道ですが、太さによって5段階に分けられています。また、道の細かい曲がりくねり方も表現されています。
地形の情報は、非常に重要です。等高線がすごくうねうねとしているのが分かると思います。等高線を見て、尾根や沢、傾斜の程度などの地形を想像できれば上級者の仲間入りができます。

緑色と白の部分は森です。緑色が濃いは、見通しも悪く通り抜けも難しいところです(白が一番通り易い)。緑色の部分を通り抜けるのには時間がかかるので、これを避けてルートを決めます。
地図記号
O-MAP は、ISOM(International Orienteering Specification for Map)という規格で調査・作成されることになっています。

地図の記号については、左に凡例を示しますので、参考にしてください。多くの地図には、凡例も印刷されていますが、オリエンテーリングの競技者は、地図の凡例に精通しているはずということで、凡例を印刷していない地図もあります。主なものは、覚えておきましょう。

もっと詳しい地図記号の個別の解説(準備中)

ISOM2000 は、IOF(International Orienteering Federation)のページにあります(英文、PDF)。


地図調査
地図の調査は、調査者が歩き廻って調べます。かなり大変な作業になります。1回の競技会のために調査者は、膨大な時間と努力によって地図を作成して行きます。
地図の調査は、オリエンティアが行っています。地図調査をすることで、オリエンテーリングの地図読み技術の向上にもなります。

地図調査こぼれ話…(準備中)
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