4.1大会事業計画
4.1.1目的
本答申では、例年行われている大会それぞれについて、大会の性格付けを再定義し、また収支に関しても方針を明確にして、競技性の高い大会と普及のための大会に分類、それぞれ担当委員会を決定した。そのうち大会事業委員会は競技性の高い大会を担当することとし、担当事業運営負荷の軽減を図るとともに、より魅力的で収益の高い大会開催を目指すこととする。
4.1.2競技性の高い大会事業の企画運営
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例年行われている「協会大会」と「対抗リレー大会」を競技性の高い大会事業と位置付け、これらの企画運営を行う。
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協会大会は、全日本リレー大会のセレクションとして利用が見込まれ、例年9月に行われている。
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対抗リレー大会は、冬の協会イベントとしてオリエンティアによく認知されている。
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これらの大会の魅力を高め、競技者の参加を増大させていく。
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これらの大会は収益をあげること(参加者を増やすこと)を目的のひとつとする。
4.2PC事業計画
4.2.1目的
現状ではPCの利用状況に対し管理負担が大きい。そこでコースを減らすと共に、各コースの目的、利用形態、ターゲットとする利用者を明確にしてオリエンテーリングの普及に資するPCを再編することが必要である。廃止にあたっては、利用状況、地元の協力体制、将来的な利用可能性などの項目による廃止基準を設け、的確に判断すべきである。また、再編後のコース管理については、指導員会を中心に普及事業の一部として担当するのが望ましい。
4.2.2.PC再編計画
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従来型として継続するコース
距離5〜10km、所要時間1〜3時間のもの。近年の利用実績に基づき3コースほどに厳選する。
(元加治・仏子・森林公園)
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普及促進型として再設定するコース
所要時間30分程度で利用可能な難易度の低いコースとする。対象を中高年などオリエンテーリングをしていない人たちに設定し、地図も高齢者でも利用可能な見易さを優先するものに換える。再設定時には、普及イベント(県民大会)などを行うことが望ましい。
(高麗・秩父など)
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入門体験型コースとして再生または新設するコース
げんきプラザや団体利用宿泊施設周辺のコース。げんきプラザ職員や学校団体のニーズをくみ取り、利用し易い距離、所要時間、地図を準備する。具体的にはパークO的なコースが良いと考えられる。すでに大滝げんきプラザについては事業が実施直前であり、今後のサンプルケースとして大切に扱いたいと考える。
(野上・神川・竹沢・加須・大滝・名栗)
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都心部の公園などに設置するパークO型コース パーク-O型コース最大のメリットは都心部に設置できる点である。コースはゆっくり歩いても15分程度の体験版と、走って10〜20分の競技者レベルのもの2コースが用意できれば理想的である。競技レベルのコースは毎年更新し、コース入り地図はHPでダウンロード出来るようにする。可能であれば競技者コースの利用者にラップを自己申告してもらい、HP上で公表することにより競技レベルの向上に寄与させる。 (彩の森公園、航空公園、上尾運動公園、大宮公園など)
- その他 自動車を利用した広範囲でゲーム的要素の強いコースなどが考えられる。これらの設置にあたっては、地図のホームページからのダウンロードや成績の発表方法など、新しい取り組みを含むことが考えられる。
4.2.3PC廃止計画
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廃止基準を設ける。利用状況、権利関係、地元協力体制などを考慮すること。基準設定は理事会にて行う。
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廃止にあたり、これまで協力していただいた地元行政関係者、地図販売者、地権者などに何らかのお礼などする必要がある。遺漏のないように対応したい。
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これらの費用捻出のため、廃止にあたり「ロゲイン」イベントの企画運営を行う。手軽に参加できる企画で広く人を集めを行い、同時にコントロール撤去のボランティアを募ることとする。
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ロゲインイベントには強化委員会・選手会の協力を求める。また実行委員会を設置する。
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廃止コースと考えらるのは以下のコースであるが、廃止基準の設定後に決定される。
(寄居・横瀬・物見山・円良田湖・東松山・八丁湖・
松山城址・おごせ休暇センター・高坂・越生・県民の森・鷲宮・川越・本庄)
4.2.4再編・廃止5カ年計画
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5年間でこれらの事業を行う。
-
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コー
ス再編
もしくは撤去
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入
門体験型
(作図と再編)
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ロ
ゲイン夏
(イベント後に撤去)
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ロ
ゲイン冬
(イベント後に撤去)
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2006
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秩
父(再編)
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大
滝、加須
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秩
父+横瀬
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上
尾+鷲宮+加須
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2007
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本
庄(撤去)
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神
川
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寄
居+円良田湖
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東
松山+八丁湖
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2008
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元
加治(再編)
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長
瀞
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越
生+休暇センター
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元
加治+仏子
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2009
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川
越(撤去)
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竹
沢
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野
上+岩根
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物
見山+高坂
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2010
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高
麗(再編)
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名
栗
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横
瀬+県民の森
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森
林公園(イベント)
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4.2.5鉄道会社との連携
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西武鉄道、東武鉄道、秩父鉄道など私鉄企業との連携を図る。
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地図に広告掲載を依頼したり、企業主催のイベント時期にキャンペーンを行うなどが考えられる。
4.3普及事業計画
4.3.1目的
埼玉県協会における指導員の登録は年々減少しており、指導員登録事業の活性化を目指していくことが望まれる。そこで「指導員会」を発足させ、指導員相互の交流を図り、主に普及事業の担い手としての指導員を育成し、また指導員の活躍の場をつくり出すことが、以下の計画の目的である。
4.3.2指導員の組織化
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指導員会を発足させ、活発な指導員を増やす。
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埼玉県協会登録の指導員は自動的に協会加盟員であることとし、また加盟会費は無料とする。
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指導員会発足後は代表理事を理事会に推薦する。任期は協会規約に準ずる。
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この理事は普及事業委員となる。
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指導員会総会を年1回以上行う
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連絡方法を確立する。電子メール利用など低コストの方法が望ましい。
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18年度は準備期間とし、準備会を2回程度行い、顔と名前の一致する交流を図る。
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準備期間の代表理事は、理事会が指導員登録者のなかから指名する。
4.3.3指導員講習会の運営
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指導員登録講習会をはじめ、指導員の指導技術向上を目指した講習会などを開催する。他県との共同開催も考えられる。
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これらの運営は指導員会の自主的運営とする。
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これらの講習会の参加費は参加者の負担
とし、収益を求めない。とする
4.3.4普及的意味の高い大会事業の企画運営
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例年行われている大会事業のうち、「レク大会」「県民大会」「KASEI大会」「スポーツフェスティバル」を普及事業と位置付け、これらを企画運営していく。
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大会事業委員会扱いの大会に役員として参加する。
4.3.5普及講習会・普及イベントの企画運営
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青少年団体、企業(保険組合)、壮年層山歩きの団体などに対して、「読図」講習会やレクリエーションとしての「オリエンテーリング」大会などの機会を提供する。
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PCコースを利用して、体験イベントを企画運営する。
例えば、森林公園にて人出の多い時期の休日に、低料金・小時間で体験できるコースを準備し、体験してもらう等。
4.4強化事業計画
4.4.1目的
JOAの「競技者登録制度」関係施策も18年度より大幅な変革期を迎え、協会としての競技者への事業も再構築が必要と思われる。そこで本答申では強化事業の一環として「選手会」を立ち上げ、競技者自身による選手会の運営と協会事業への参画を提案する。また事業として、不満の対象となっていた「全日本リレー大会」への参加取組みの他に、一般運動選手やアドベンチャーレース参加者等からの選手発掘を計画した。
4.4.2選手の組織化
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協会加盟個人化にともない、クラブ未加入競技者登録者の協会への加盟を促し、協会加盟者の技術向上、全日本リレー大会への選手派遣の便宜、相互交流のために「選手会」を発足する。
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選手会は競技者登録者で協会加盟している者で構成する。加盟方法を問わない。
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組織発足後、代表理事を理事会に推薦する。任期は協会規約に準ずる。
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この理事は強化委員会委員となる。
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その他の強化委員は選手会から若干名を互選する。
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年1回以上の総会を行う。
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18年度は選手会発足の準備期間とする。
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準備期間の代表理事は、理事会が競技者登録者のなかから指名する。
4.4.3全日本大会への参加取組み
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代表選考については、強化委員会と選手会の自主運営とする。
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選手団長、監督については強化委員会と選手会の合議で決定する。
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派遣費については、協会からの予算措置の他、下記の練習会事業の収益の一部をあてる。
4.4.4練習会の企画運営
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年4回の練習会を企画運営する。
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練習会は参加者数の見込める都市部公園などで開催されることが望ましい。
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参加者は広く一般からも受け入れ、選手発掘、選手会への取込みを考慮すること。
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収益の一部は派遣費他にあてる。収益の分配比率は理事会において協議決定する。
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協会加盟者の参加費は割引きとする。割引き率は理事会において協議決定する。
4.5地図事業計画
4.5.1目的
利用しやすい地図(=売れる地図)を協会で制作することは、オリエンテーリングの活動に寄与できるだけでなく、協会の収入にもつながる。戦略的に地図を制作していくことを考えていく。
4.5.2一般的な競技用の地図
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ミドルやロングといった競技用の一般的な地図は、協会主催の大会開催に合わせて制作することを原則とする。したがって、制作する年もあれば、しない年もある。
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当該大会の参加料収入により地図制作費を一発回収する。大会後の売上がすべて利益となるように。
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スポンサー、広告収入は歓迎。
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協会加盟クラブ・加盟員から有志を募り、地図調査・作図を行う。採算が見込めれば、プロ(海外マッパー等)の投入もありうる。
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大会の時だけしか使われないような地図は基本的に作らない。継続的に利用されるテレインの地図を作る。
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(候補テレイン)梅薗、四番金昌寺、大高取山、赤坂の森
4.5.3公園の地図
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スプリント競技仕様で、ナショナルチームがトレーニングに使えるような高水準の地図を制作する。(世界選手権が毎年開催となっていることから、高水準であれば相応に売れると考えられるため。)
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毎年2枚程度を目標として制作する。
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完成時には何らかのイベントを開催し、その参加料収入から地図制作費の大半は回収できるようにする。
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スポンサー、広告収入は歓迎。
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地図の制作にあたっては、協会単独での制作か、加盟クラブと協会の共同での制作のいずれかとする。
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加盟クラブと協会の共同での制作の場合、次のような枠組みとする。
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地図制作の費用負担について、当該加盟クラブ構成員の費用はクラブ側持ち出し、その他の調査者の費用は協会持ち。
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加盟クラブの権利として、当該クラブが主催するイベントでの利用、当該クラブ内の練習会等での利用は無料とする。地図販売はクラブ側は行わない。
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地図販売は協会のみが行う。この場合の売上は全額協会の収入とし、加盟クラブへの売上の配分は行わない。
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(候補テレイン)大宮公園、所沢航空記念公園、智光山公園、秋ヶ瀬公園、稲荷山公園、・・・
4.5.4PC用の地図
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PC再編計画に基づき、新規に整備が必要となるPC用地図の制作を積極的に行う。
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毎年2枚程度を目標として制作する。
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完成時には、何らかのイベントを開催してお披露目することが望ましい。
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協会(単独)の地図として制作する。
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スポンサー、広告収入は歓迎。
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加盟クラブ、加盟員の有志を募り、制作する。
4.5.5地図特別会計の運用
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大会用地図の制作のように、年度をまたいで費用が計上されるような場合、あるいは何年かかかって売上が上がって制作費用が回収されるような場合、本会計の収支に影響を及ぼさないことを目的として、地図特別会計を運用する。
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地図制作費用はすべて地図特別会計より支出する。
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大会開催時は、地図を所定の額にて「購入」する形を取り、地図特別会計に入金する。
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PC含めてすべての地図の売上は地図特別会計に入金する。
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地図特別会計に上限を設定して、上限を上回った余剰金は、本会計に繰り入れる。または、個々の地図を単品管理して、売上が制作費を上回った分は本会計に繰り入れる。
4.6営業企画事業計画
4.6.1目的
オリエンテーリング人口は減少の一途をたどっている。原因として、スポンサーの消滅、補助金の縮小、学校教育現場でのOL離れ等が考えられるが、そのひとつとしてオリエンテーリング界からのアピール不足があげられるだろう。従来、広報活動として内向きの活動は様々行われてきたが、対外広報活動、例えば新聞・雑誌・テレビなどのメディアに対して継続的な広報、また学校・企業へのアピールは不足していたと言わざるを得ない。そこで本答申では対外広報活動を事業とする「営業企画委員会」設立を提案する。この委員会の事業は、継続的な広報の努力と、他委員会を巻込んで戦略を立案する企画力を必要とするもので、今後の協会発展に欠かせない事業である。
4.6.2対外広報活動
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新聞社、テレビ局、ラジオ局、官庁への継続的な協会事業の案内を行う。
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普及事業開催にあたって開催地域一般への広報活動
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広報資料の作成
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企業団体へのイベント売り込み
4.6.3スポンサー獲得活動
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既スポンサー企業への継続営業
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新規スポンサー企業の発掘
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新規作成地図における広告主の開拓
4.6.4委員会を縦断した企画の立案
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PC廃止事業でのロゲイン開催企画(PC事業+選手会)
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強化事業練習会への普及イベント併設(強化事業+普及事業)
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企業などのニーズに応じたイベントの企画等
4.5.5会員増大活動
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会員勧誘資料の作成
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個別勧誘による加盟個人・団体の拡大 いわば「どぶ板」戦略ではあるが、年10人(団体)加入が増えれば10年で100人になる。