まえがき

 この答申は、今後の埼玉県オリエンテーリング協会の姿を、考えての改革案です。現状のまま推移しますと、財政的には、埼玉県よりの補助金の削減、加盟クラブの減少の2大要因により、年間60万円の収入減が予想されます。よって、抜本的に収支を改革しないと、10年後には破産状態になります。 人的資源については毎年、競技者人口は減りつつあり、新しく大学を卒業した、オリエンテイアが、地域クラブに加入しない傾向が見られます。インストラクター、デイレクターの中には、殆ど活動しない方が多くいます。軽登山、歩け歩け、自然観察、などには多くの参加者が集まります。団塊の世代が、一斉にリタイアする時期が迫っています。アドベンチャー系の人とオリエンテイアとの交流が始まりつつあります。

 以上の点を考えると、新な展望により、オリエンテーリング人口の増大を図り、県協会への加入を促進する事は急務であります。 したがって、財政、人的資源の両面から、状況の変化に対応した改革を迫られており、少々の応急手当では、解決できません。 加盟方法、組織、事業など各方面に、大きく踏み込んだ、改革案を提案いたします。 新しい埼玉を生み出す為に宜しくご検討戴きますよう、お願い致します。

埼玉の明日を考える会 座長  田中 博
同メンバー  石井 隆 澤田晴男 中村弘太郎 福原正三 山岸倫也 (50音順)

もくじ

  1. 現状と基本方針
  2. 加盟方法の変更
    2.1 目的
    2.2 加盟種別
    2.3 会費
    2.4 加盟のメリットをつくり出す手段
    2.5 開始時期
  3. 組織の活性化
    3.1 目的
    3.2 役員について
    3.3 総会
    3.4 理事会と専門委員会
    3.5 指導員会
    3.6 選手会
  1. 事業計画
    4.1 大会事業計画
    4.2 PC事業計画
    4.3 普及事業計画
    4.4 強化事業計画
    4.5 地図事業計画
    4.5 企画事業営業計画
  2. 予算
    5.1 平成18年度予算案

1.現状と基本方針

 現在埼玉県協会は、加盟クラブの減少という事実に直面している。加盟クラブにおいて、会員の高齢化、活動的な会員の減少などの原因から解散、協会加盟の見合せが起きているのだ。このことは直接協会に影響を及ぼす。会費収入が減少することともに、協会事業の担い手も減少する。一方各種補助金制度は、縮小の一途をたどり、今後復活する兆しはない。このままでは、10年もしないうちに協会は資産を使い切り、さまざまな事業を縮小せざるを得なくなり、オリエンテーリング界の期待に応えられなくなる。

 各種事業においても課題が多い。  大会事業は、開催の準備負担が大きく、事業遂行の責任者個人の負荷が過大となり、また大会運営役員の固定化も懸念されている。パーマネントコース(以下PCと略)事業は、現状でのPCの利用状況と地図売上収入に対し管理負担が大きいことが明らかである。指導員の登録は年々減少しており、指導員登録事業の活性化を目指していくことが望まれる。強化事業においては、現在メーリングリスト等による連絡機能等がゆるやかなまとまりとして選手会と呼ばれており、全日本リレー選手権への派遣費用も予算として計上してあるものの十分とは言えず、代表選考や各種の連絡、取り決めについて不満を持つ選手も少なからず存在する。広報事業では、内部広報は行われているが、各種メディア、行政庁へのアピールは不足し、認知度も不足し、企業はスポンサーとなることに躊躇する状況である。

 収支においては、補助金が潤沢であったころの予算組立が継承されており、予算改革が必要である。一方で大会事業において収支は均衡しており、地図器材売上は収益が高く、今後も協会会計上の重要な位置づけとなる。また、事務費についてはこれ以上の削減は難しいと考えられる。

 これらの現状から答申の基本方針を次のように定めた。


 この基本方針のもと、以下より具体的な事業、組織、予算を提案する。

2.加盟方法の変更

加盟方法概念図

2.1目的

 本答申では会員の「個人加盟化」を行うことによって、会費収入の増大を図るとともに、協会内の人材を活性化させ、協会の健全運営、オリエンテーリング界の発展を目指している。  この個人加盟化は、加盟しようとする者に金銭的に負担増を強いることになるが、理解を得るためには、それに見合うだけの事業を提供していくことが必須の条件であり、また協会を維持発展させていくことがオリエンテーリング発展に寄与するのだという理念を共有する仲間を増やしていくことが重要である。  また、個人加盟することのメリットを作り出す事業や仕組みを準備し、理解を求めていく。  

2.2加盟種別

2.3会費

2.4加盟のメリットを作り出す手段

2.5開始時期

3.組織の活性化

組織図

3.1目的

 個人加盟化にともない、理事選出方法の変更を行い、より活動的な個人を協会事業のなかに取り込んでいく。理事会が設置する専門委員会については、委員会毎に担当事業を定め、予算編成する。
 また、競技者登録者の組織として「選手会」、指導員の組織として「指導員会」を立ち上げ、協会内の人材の活性化を図ることを目的とする。

3.2役員について

3.3総会

3.4理事会と専門委員会

3.5指導員会

3.6選手会

4.事業計画

4.1大会事業計画

4.1.1目的

 本答申では、例年行われている大会それぞれについて、大会の性格付けを再定義し、また収支に関しても方針を明確にして、競技性の高い大会と普及のための大会に分類、それぞれ担当委員会を決定した。そのうち大会事業委員会は競技性の高い大会を担当することとし、担当事業運営負荷の軽減を図るとともに、より魅力的で収益の高い大会開催を目指すこととする。

4.1.2競技性の高い大会事業の企画運営

4.2PC事業計画

4.2.1目的

 現状ではPCの利用状況に対し管理負担が大きい。そこでコースを減らすと共に、各コースの目的、利用形態、ターゲットとする利用者を明確にしてオリエンテーリングの普及に資するPCを再編することが必要である。廃止にあたっては、利用状況、地元の協力体制、将来的な利用可能性などの項目による廃止基準を設け、的確に判断すべきである。また、再編後のコース管理については、指導員会を中心に普及事業の一部として担当するのが望ましい。

4.2.2.PC再編計画

4.2.3PC廃止計画

4.2.4再編・廃止5カ年計画

4.2.5鉄道会社との連携

4.3普及事業計画

4.3.1目的

 埼玉県協会における指導員の登録は年々減少しており、指導員登録事業の活性化を目指していくことが望まれる。そこで「指導員会」を発足させ、指導員相互の交流を図り、主に普及事業の担い手としての指導員を育成し、また指導員の活躍の場をつくり出すことが、以下の計画の目的である。

4.3.2指導員の組織化

4.3.3指導員講習会の運営

4.3.4普及的意味の高い大会事業の企画運営

4.3.5普及講習会・普及イベントの企画運営

4.4強化事業計画

4.4.1目的

 JOAの「競技者登録制度」関係施策も18年度より大幅な変革期を迎え、協会としての競技者への事業も再構築が必要と思われる。そこで本答申では強化事業の一環として「選手会」を立ち上げ、競技者自身による選手会の運営と協会事業への参画を提案する。また事業として、不満の対象となっていた「全日本リレー大会」への参加取組みの他に、一般運動選手やアドベンチャーレース参加者等からの選手発掘を計画した。

4.4.2選手の組織化

4.4.3全日本大会への参加取組み

4.4.4練習会の企画運営

4.5地図事業計画

4.5.1目的

 利用しやすい地図(=売れる地図)を協会で制作することは、オリエンテーリングの活動に寄与できるだけでなく、協会の収入にもつながる。戦略的に地図を制作していくことを考えていく。

4.5.2一般的な競技用の地図

4.5.3公園の地図

4.5.4PC用の地図

4.5.5地図特別会計の運用

4.6営業企画事業計画

4.6.1目的

 オリエンテーリング人口は減少の一途をたどっている。原因として、スポンサーの消滅、補助金の縮小、学校教育現場でのOL離れ等が考えられるが、そのひとつとしてオリエンテーリング界からのアピール不足があげられるだろう。従来、広報活動として内向きの活動は様々行われてきたが、対外広報活動、例えば新聞・雑誌・テレビなどのメディアに対して継続的な広報、また学校・企業へのアピールは不足していたと言わざるを得ない。そこで本答申では対外広報活動を事業とする「営業企画委員会」設立を提案する。この委員会の事業は、継続的な広報の努力と、他委員会を巻込んで戦略を立案する企画力を必要とするもので、今後の協会発展に欠かせない事業である。

  

4.6.2対外広報活動

4.6.3スポンサー獲得活動

4.6.4委員会を縦断した企画の立案

4.5.5会員増大活動

5 予算

5.1平成18年度予算案




16年度決算 17年度予算 18年度予算(案) 備考
収入の部

















































会費 150,000 130,000 (110,000) A 11クラブ
補助金 135,000 100,000 (100,000)
地図器材売上 447,310 350,000 (350,000)
 PCマップ販売

300,000
 Oマップ販売

50,000
 その他器材収入



大会事業収入(大会開入) 462,800 700,000 (700,000)
 公認大会開催収入



 協会大会開催収入

350,000
 リレー大会開催収入

350,000
PC事業収入

(230,000)
 ロゲイン/PC閉鎖イベント開催収入

150,000
 元気プラザ・PC整備収入

80,000 実費相当額
普及事業収入

(120,000)
 県民大会開催収入

25,000
 レク大会開催収入

25,000
 普及イベント開催収入

50,000 パークO等
 講習会参加料 17,250 20,000 20,000
選手強化事業収入

(50,000)
 選手強化イベント開催収入

50,000 パークO・練習会
指導員登録料 123,000 120,000 (120,000)
競技者登録料 160,700 140,000 (200,000)
雑収入 9,003 1,740 (1,500)
協会基金特別会計より繰入 1,000,000






収入合計 2,505,06 1,561,74 1,981,50



16年度決算 17年度予算 18年度予算(案) 備考
支出の部














































事業費

























地図器材仕入 358,350 350,000 (275,000)
 PCマップ仕入

150,000 販売額×50%
 Oマップ仕入

25,000 販売額×50%
 その他器材仕入



 記念品費



 販売手数料 71,030 100,000 100,000
大会事業費(大会開費) 286,265 450,000 (325,000)
 公認大会開催費



 協会大会開催費

175,000
 リレー大会開催費

150,000
PC事業費

(280,000)
 ロゲイン/PC閉鎖イベント開催費

75,000
 PC整備・閉鎖関連費 0 100,000 205,000
普及事業費

(170,000)
 県民大会開催費

25,000
 レク大会開催費

25,000
 普及イベント開催費

50,000
 講習会費用 16,000 20,000 20,000
 普及活動費

50,000
選手強化事業費

(90,000)
 選手強化イベント開催費

20,000
 選手強化費 70,000 70,000 70,000 全日本リレー参加料
派遣費 50,000 50,000 (50,000)
競技者登録費 83,250 80,000 (100,000)
地図特別会計へ繰入 123,540






事業費計 1,058,43 1,220,00 1,290,00
事務費

















負担金 145,000 206,500 245,000 WOC協賛金あり
印刷費 55,200 100,000 50,000
会議費 19,030 20,000 20,000
通信費 259,049 280,000 150,000
広報費 65,000 20,000 25,000
交際費 0 20,000 10,000
旅費交通費 72,000 100,000 65,000
備品費



事務消耗品費 116,715 120,000 100,000
支払保険料 23,090 23,000 24,000
雑費 0 5,000 2,500





事務費計 755,084 894,500 691,500






予備費 予備費 199,000 55,500 0
準備金 公認大会準備金 0


積立金 協会基金特別会計 0


積立金 地図特別会計 0









支出合計 2,012,51 2,170,00 1,981,50


当年度収支 492,544 -608,260 0


前期繰越金 115,716 608,260 608,260


次期繰金 608,260 0 608,260










16年度決算
17年度予算
18年度予算(案)

収支内訳





























地図器材販売 17,930 -100,000 (75,000)

 PCマップ販売

50,000

 Oマップ販売

25,000

 その他器材販売

0
地図特別会計へ繰入 -123,540 0

大会事業(大会開催) 176,535 250,000 (375,000

 公認大会開催

0

 協会大会開催

175,000

 リレー大会開催

200,000
PC事業 0 -100,000 (-50,000)

 ロゲイン/PC閉鎖イベント開催

75,000

 PC整備・閉鎖関連費

-125,000
普及事業 1,250 0 (-50,000)

 県民大会開催

0

 レク大会開催

0

 普及イベント開催

0

 講習会開催

0

 普及活動費

-50,000
選手強化事業 -70,000 -70,000 (-40,000)

 選手強化イベント開催

30,000

 選手強化費

-70,000
役員・選手派遣 -50,000 -50,000 (-50,000)
指導員登録 123,000 120,000 (120,000)
競技者登録 77,450 60,000 (100,000

事業収支 152,625 110,000 480,000
会費 150,000 130,000 110,000
補助金 135,000 100,000 100,000
その他収入 9,003 1,740 1,500
事務費 -755,084 -894,500 -691,500
予備費 -199,000 -55,500 0

その他支 -660,081 -718,260 -480,000



16年度決算 17年度予算 18年度予算(案)
協会基金特別会計




一般会計より 0



一般会計へ 1,000,000



受取利息 1,523









次期繰越金 4,000,706 4,000,706 4,000,706
地図特別会計







一般会計より 123,540
0

一般会計へ




PCマップ販売

150,000 販売額×50%

Oマップ販売

25,000 販売額×50%

マップ作成費

-100,000

受取利息










次期繰金 1,281,960 1,281,960 1,356,960









資産合計 5,890,920 5,282,660 5,965,920