実行委員長あいさつ

京都府オリエンテーリング協会会長 久保 喜正

第28回全日本オリエンテーリング大会開催にあたりご挨拶申し上げます。

今から3年前、準備委員会が結成されました。京都府内の幾つかのテレイン候補地が挙げられましたが、我々が目標とする交通アクセスの良い京都らしい大会、皆様に楽しんでいただける大会を開くには何か物足りなさを感じました。

大会のコンセプト「京都を走ろう、京都を楽しもう」を実現するには、やはり此処しかないということで、京都大学オリエンテーリングクラブの『奥大文字』と京都オリエンテーリングクラブの『七福思案処』を合体したテレインに白羽の矢が立てられました。

ご存知の通り、関西地区は一般的に地形上テレインは一流ではありません。山が険しい上に藪が濃く道走りが多くなるテレインが殆んどです。しかし今大会のテレインは花崗岩の台地が複雑に侵食されたオリエンテーリング向きの地形です。しかし会場からテレイン中心迄の高度差はかなりあり、どうしても全般的に登距離は大きくなっています。また、京都市左京区という都会の一部で行われる大会でもあります。

大会会場として快くご協力いただきました私立東山学園は、京都でも有数の文教・観光地区にあり、名刹・名園が建ち並ぶエリアです。すぐ近くには銀閣寺、法然院、南禅寺、智恩院、平安神宮があり、今や文化財となりました琵琶湖疎水、インクライン、アーチ式の水路閣は駅や駐車場からの通り道となることでしょう。文化施設としては、市立美術館、国立近代美術館、疏水博物館等があり、また動物園もありますのでお子様にも喜んでいただけることでしょう。どうぞオリエンテーリングだけでなく、名刹・名園の拝観、散策に、また各施設にも是非立ち寄られることをお奨めいたします。

しかしながら、今大会のテレインとなります『奥大文字』『七福思案処』の3年にわたるクローズは、両クラブにとって大変な痛手でした。京都では「京都カップ」という市内クラブ、大学クラブが年4〜5回それぞれ持ち回りで大会を開催するシリーズのオリエンテーリングがあります。両クラブはそこで大会を開催出来ないということは、大変な負担でしたが、全日本大会の目的達成のためならばと快く了解してくれました。

京都には、年間4千万人観光客を受け入れる文化・観光都市です。宿や交通のアクセスなども万全です。JRで来られた方は、京都駅から地下鉄を乗り継ぎ30分で会場に行けます。車の方は、京都東インター下車20分で2ヵ所の市営駐車場に行け、そこから10分ほどで会場です。

正直なところ、今や魅力的なクラブ大会が数多く開催されるようになり、相対的に全日本大会は地位低下を噂されています。しかし当協会は再度頂点に上げるべく総力を挙げて準備を進めてきました。幸いにも京都のオリエンテーリング界は、協会に属する社会人、大学にそれぞれ特徴あるクラブが存在し、それぞれの持ち味を生かし、従来とは一味違う大会にするべくハード、ソフト両面で力を入れました。

ハード面ではコントローラーに一級ディレクターの尾上俊雄氏(OLP兵庫)を迎え、地図調査にはプロマッパーのペローラ氏をはじめ、京都のエリートランナーが入念な調査を繰り返しました。また、JOAとの話し合いで、全国大会では初めての電子式記録システム(SIカード)を使用し、大会ではラップ表の配布も行う予定です。

ソフト面ではオリエンティアのアイディアを組み、また地元ならではの穴場情報等を自分達の足で収集し、京都に来てよかったと思っていただけるよう努力しました。

どうぞ、「はんなり」、「ほっこり」の京都を満喫してください。

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ページ作成:第28回全日本オリエンテーリング大会HP担当(joc2001@ns.orienteering.com)
最終更新:2001年11月11日(日)