池山マウンテンマラソン
試走レポート
(長野県駒ヶ根市)
2007年
7月7日

池山山頂近くのシングルトラック
(小径)を試走する3人
唯一、笹が多い区間だ。




トレイルラン後のラーメンは旨い
池山小屋。
山頂近くにある。
冷たい水が豊富!
この日は曇り。残念ながら 中央アルプスの展望はナシ。
1700mを超える池山山頂は夏でも涼しい。
林道終点から
池山に延びる登山道
整備されています。
南アルプスが見える
・・・はずの休憩所
池山小屋近くの窪地
昔は牧場でここに池を
作ったことから「池山」
スタート地点は駒ヶ根高 原家族旅行村。
ここから池山山頂まで登り900m。
所要時間:
マルくん 57分 (フルマラソン2時間53分)
トモコさん 70分 (スキーオリエンテーリング日本代表)
タチバナくん 75分 (ちょっと調子悪そう)
キムラ 78分 (シニアオリエンティア)
駒ヶ根高原スキー場に
向かって下りてゆく
シングルトラック(小径)
膝を痛めないように注意。



家族旅行村から池山山頂に向けたトレイルラン時のアドバイス
2007年7月7日(土)の試走経験より (木村)


 2007年7月7日(土)に駒ヶ根高原家族旅行村から池山山頂まで試走で往復しました。
池山 は空木岳登山道の途中にある中央アルプスの前山です。
 9月16日(日)に開催される池山マウンテンマラソンに向けて主催者がトレイルランマップを作 成していますが、その第一稿の地図を持って試走しました。
 地図作成にあたっては高精度GPSを投入し、地形と地図の適合を取っています。従来のハイキングマップとは精度が一段と向上しており、地図を 見ながら現在地を把握しながらの試走となりました。次にどんなコースになっているのかを正確に読み進めることで、初めてのコースでも不安なく試走すること ができました。

 この報告を書いている木村は45歳という シニア年齢です。主として同じくらいの年齢の参加者に向けてのアドバイスです。

 コースは林道20%と登山道80%です。登山道といっても、ほぼすべて安全な土の道です。岩場はありません。登山道のごく一部で岩が出ている ところがある程度です。登山道で登りのきついところは丸太で階段状に土留めしてあります。
 家族旅行村から池山山頂まで走るのは、正直登りがキツイです。私には全て走り通すことはできませんでした。


登り区間
 家族旅行村からは森の小道を緩やかに登ってゆきます。このあたりは古い城跡だそうです。といっても公園ではなく、完全に樹林帯です。一旦城跡 の丘の上に登ると平坦になります。土の道 が舗装に変わり、少し登ったところで、舗装路
「林道山手線」に合流します。この林道に沿って少し水平移動してゆくと、林道が分岐します。ここが「林道古城公園線」の入口です。

 「林道古城公園線」は池山を目指して徐々に高度を上げてゆきます。舗装された林道をやや長めに走ったあと、林道を離れ、空木岳登山道に入りま す。
登山道に入るまでの林道区間までなら、普段からトレーニングをしている人でしたら、ゆっくりと走るこ とができるでしょう。

 ここから先の登山道は走るには傾斜がきつくなります。池山に続く尾根を直登するこのルート。私 には走れません。気分的にはこのあたりが一番し んどいです。途中で一度「林道古城公園線」と交わりますが、まだまだ尾根登りは続きます。次に林道と交わるところが林道の終点で駐車場になっています。お そらくエイ ドはこの駐車場に設けられることでしょう。

 駐車場終点からの登山道は、つづら折りで登る道になります。このため斜度が緩く、ここから再び走り始めることができます。登山 道の幅もそれなりに広いです。このあたり結構気分よく走って登ります。一部ガケの近くを通るところがあります。このコースで唯一、気を使うところです。そ んなに危険ではありません が、一応慎重に歩いて、走ってください。

 つづら折りの登山道を登って尾根線に出たところが「タカウチ場」と呼ばれるところです。ここから池山山頂を目指すには2ルートがあります。 今回の試走では直接池山山頂を目指す尾根線ルートを取ります。
 もうひとつのルートは空木岳登山道経由のルート(沢沿い)となります。

  「タカウチ場」から池山山頂を直接目指すルートは、今までの快適な登山道とは少し様子が違って、草が多い登山道になります。緩やかな尾根といえどもさすが に尾根道です。今までの道と違って傾斜もき つくなり、走ることができません。ぐんぐん池山に向かって高度を上げてゆきます。池山直下では登山道がとうとう草に埋もれてしまいました。そこは地図を 読みながらナビゲーションして、尾根線をキープしてゆきます。このあたり、競技の前には誘導をしっかり付けるそうです。(ストリーマと呼ばれる吹き流しを コース道沿いに付ける予定だそうです)

 不明瞭な尾根道を辿るとすうっと視界が開ける場所にでます。そう、池山山頂です。ここまで家族旅行村から78分かかりました。
ここまではずっと尾根道のため水場はありません。しかし、林道の終点に設けられるはず?のエイドで給水できれば問題ないでしょう。


下り区間
 池山山頂を越えて尾根道をゆくと5分ほどで池山小屋(無人)に出ます。ここは中央アルプスと池山の鞍部にあたるところです。中央アルプスの沢 から引いてきたと思える水が大量に湧き出しています。たっぷりと給水できます。

 池山小屋で、空木岳登山道と合流します。この登山道を「タカウチ場」に向かって下山します。沢沿いのルートなので緩やかなのかなと思いきや、 意外に急な 感じがしました。シニア層がこの斜面を走って下ると、膝を痛める心配があります。本日はサポートタイツを履いてきて正解でした。

 下山ルートが沢から離れてくると斜度も緩くなり、快適なトレイルランが楽しめます。快適に下るうちにあっという間に「タカウチ場」に到着。
  「タカウチ場」からは登ってきたルートを逆に下ってゆきます。緩い下りで快適です。ほどなく林道終点の駐車場まで降りてきます。

 林道駐車場からは、登りでも苦労した尾根道。今回のコースで一番足場が悪いうえに下りもやや急。登山用ストックが欲しいと感じた区間でした。 でも登山用ス トックが役に立ちそうな区間はここだけ。この後は林道と一度交わり、その後に登山道の分岐点が出てきます。

 ここからは登りと全く違うルートを下ります。急な下りとなり、駒ヶ根高原スキー場までイッキにダイブする感覚です。道は小径(シングルト ラック)で斜度も結構ありますが、膝に優しい土の道で、地図で見るより下り易い小径でした。

 駒ヶ根高原スキー場の最上部近くに下りてきました。ここからはしっかりした遊歩道があります。柔らかい道を快適に下ってゆきます。最後はス キー場の中を走って下ってきました。スキー場を走って下るとスピード出過ぎるので要注意です。

 駒ヶ根高原スキー場の下からすぐに大沼湖まで出ます。のんびり釣り糸を垂れている人が多いですね。大沼湖あたり一部舗装道路となりますが、大 沼湖の東側に回 りこむと土の走路です。
 
 このあと駒ヶ根高原別荘地の中を抜け、吊橋「出会い橋」を渡ると、もうそこはフィニッシュの家族旅行村です。最後に家族旅行村の芝生広場を駆 け下るとステージが待っています。


走られるかたへのアドバイス
 登りも当然それなりにキツイのですが、それよりイッキに下り900mのほうが足への負担が大きいように感じました。膝をしっかりサポートする タイツ、サポータ、テーピングをされることをオススメします。

 ゆっくり走る方は捻挫の心配は少ないですが、下りで飛ばす人は足首へのテーピングをしておいてほうが良いでしょう。

 タカウチ場から池山山頂区間では草の多いトレイルを通ります。足首まで隠れる長いパンツをお勧めします。悪天候時やその後は、草が濡れていま す。体温を保存するために長いパンツ・タイツが有効です。

 標高1700mを越えるとさすがに山頂は涼しいです。ゆっくり池山を巡る計画のかたは、長袖のもって行ってください。天候によっては雨カッパ を用意してください。登山時は体が冷えないのですが、下山時に体が冷えてしまいます。

 林道終点におそらくエイドステーションが置かれて、そこで補給することはたぶんできるでしょう。「せっかくだから池山山頂で飲食したい!」っ て方はディパックに食料と飲み物を入 れて行かれることをお勧めします。

 あとは決して無理をしないこと。登りが連続する、あるいは下りが連続するので、体へのダメージが出る人もいるでしょう。林道終点駐車場から上 は車でサポートすることができません。ここで動けなくなると救出にも大変な時間がかかることになります。個人での体調管理が重要となります。
(木村佳司)