ガケのヒゲを長くしたい
2000年5月27日現在

Q.がけの「ひげ」を長くしたい
がけの「ひげ」を長くしたいのですが、
 (1) ある特定のがけのひげを長くする
 (2) 定義を変えて,ひげの長さの初期値(最低値?)を長くする
方法を知りたいのです。

A. 可能な限りひげを伸ばさなくとも美しく描く?
(1)についてはそこんじょそこらの方法では無理です。
  (1)-1 ひげだけを新定義して書き足す
  (1)-2 ひげストライプ面種を新定義して、ひげなしがけと組み合わせる (より美しいが難しい)

の2つの方法のいずれかでしょう。
しかし、
(1)-3 可能な限りひげを伸ばさなくとも美しく描く
という方法がぼくはグッドだと思いますが

 (2)は、ひげだけの定義をEditしてみてください。
(回答:羽鳥)

A. 可能な限りひげを伸ばさなくとも美しく描く その2
日本で多く描かれているがけ
(…でも切り通し法面とか急な斜面だったりする)
は、エリートオリエンティアにとって必ずしもclearly Distinctなものとは思いません。またやぶに覆われていたりしているものも土がけに表記しているものが多く、これはきちんと植生をかけたRough Open Landなりで表記した方が適切だと思います。

次に、タグについては、多くの場合長すぎると思います。たとい、そのがけの法面長が20m 
 (比高15m、等高線3〜4本平均斜度45度、ちとがけにしてはなだらかか…と仮定)
の巨大ながけでも、1:15,000なら、水平方向は地図上でたったの1mmにも満たないのです。いたずらにひげを伸ばし、誇張してがけを描くと、地図は大きく歪むでしょう。

タグ付き土がけは、小さいものでも最低0.6mmだとしても水平方向9m(がけ幅も9m)の幅を持ちます。地図の視認性の観点から、許されるそして守られるべき誇張(exggeration)です。

 描くと、実際には、かなり尾根は細ったりします。周りの特徴物との関係で、これをコンタなどと共に相互に調整し違和感無く地図に作図できることは、ある意味かなり高度?な調査技術でもあ
り、同時に作図のことも良く知っていなければならないわけです。

 他にも同色特徴物相互の最小間隔 (Minimum Gap=0.15mm約 2.5m)や、点状(線状)特徴物の大きさ、岩やこぶの直径、小径の太さ…なども、感覚的にも実際の数値としても知っていることによって、非常に美しい作図ができるようになります。

 というわけで、タグを伸ばさないでも美しく描く…というのは、実際にあるがままにきちんと描くといえるかな?
(回答:羽鳥)

A. 主曲線か計曲線を使用する
では、ISOM2000の定義と解説をば。

106 Earth bank (土がけ)
 急な土手で、周囲から明確に区別できる急激な標高の変化がある場所。例:砂利・砂採取場、道路や鉄道の盛り土・切り通し。ひげは斜面の全長を示すが、2つのがけが近接している場合は省略して良い。通行不能の場合は201通行不能のがけで表記する。とても高いものは(上の)線を0.25mmにして良い。

標準:
線幅0.18mm、最小長さ0.6mm。ひげ線幅0.14mm、長さ0.5mm、間隔0.5mm。(高いがけは線幅0.25mm。絵を見る限り、ひげはのばしても短縮しても良い。)

解説:
OCADのデフォルトではひげは0.6mm、またがけの最小長さやひげの間隔もISOMと異なっている。高い土がけに対応する記号もないので、以下の記号を定義して使うのがよい。

106.1 Earth bank line
0.18mmの茶色の線。
106.2 High earth bank line
0.25mmの茶色の線。
106.3 Earth bank tag
0.14mmの茶色の線。
いずれも、主曲線か計曲線をduplicateしてEditすれば良い。

また、106.4 Earth bank tags line width 0.14mm, distance 0.5mm, angle1 90.0度の茶色のハッチを定義して、各記号ごとに方向を定めた面として使う。ただし、直線で高さが変化するものはよいが、斜面の方向が変わってしまう曲がったEarth bankには使えない。

 「ひげを伸ばさなければならないような斜面はがけではなく等高線で表現すべし」ということを言っているように思います。林道の法面などは、等高線+rough open landで表記するほうがしっくりくることもあると思います。がけで表現する特徴物を限定すれば、ひげを伸ばす必要も減るでしょう。
 

ちなみに、
203 Passable rock face は
標準が幅0.25mmのひげ無し線で、等高線と平行に使う。等高線で示される斜面の方向と異なる方向に向いている場合や視認性を高める必要がある場合は、
線幅0.18mm、ひげ線幅0.12mm、ひげ長さ0.5mm、ひげ間隔0.5mmの「岩がけ」記号を使っても良い。(ひげの長さは変化しない)

201 Impassable cliff は
線幅0.35mm、ひげ線幅0.12mm、ひげ最小長さ0.5mm、ひげ間隔0.6mm。ひげは伸ばしても良い。岩礁のように水際が通行不能の場合は水面までひげを伸ばす。

Impassable cliff用のひげは別に定義しておいて(distinct cultivation boundaryをduplicateすればよい)のばすときに使えばいいでしょう。
(回答:大井和之)