日本学生オリエンテーリング選手権大会実施規則 第1章 全般的な規則 第1条 規則の適用 1.1 この規則は、日本学生オリエンテーリング連盟(以下、日本学連と略す)が主催する、日 本学生オリエンテーリング選手権大会(以下、インカレと略す)に適用される。 1.2 すべての選手登録者、チームオフィシャル、競技を運営する者、及びその他の併設大会参 加者・観戦者・報道関係者など選手権競技者と接する者はこの規則に従う。 1.3 競技者ならびに主管者は、この規則の解釈にあたっては、スポーツとしての公正さの保持 を第一義としなければならない。 1.4 インカレ実施規則で定められた事項を、当該インカレに限定して不適用とし、変更する必 要がある場合、技術委員会の諮問及び理事会の承認を必要とする。不適用条項と変更内容 は要項に明記される。 第2条 競技種目と競技形態・種別 2.1 インカレは、次の4つの競技種目を設ける。  男子クラシック:個人クラシック・ディスタンス競技  女子クラシック:個人クラシック・ディスタンス競技  男子リレー  :4名のリレー競技  女子リレー  :3名のリレー競技 2.2 インカレは、すべて昼間競技で行う。 2.3 インカレは、すべて単一レース競技で行う。 2.4 インカレは、すべてポイント競技で行う。 2.5 男子クラシック・女子クラシックにおける優勝者をクラシック選手権者、男子リレー・女 子リレーにおける優勝校を選手権校とする。 第3条 日程 3.1 インカレの開催は年1回とし、開催時期は、当該年度の下半期(10月〜3月)とする。 3.2 インカレの日程は原則として次のとおりとする。  第1日 開会式  第2日 クラシック  第3日 リレー、閉会式 第4条 参加規定 4.1 選手権競技者は、以下のすべての条件を満たす。  ・日本学連の加盟員であること  ・初めて日本学連に登録した年度から数えて4年以内  ・年齢は当該年度4月1日現在28歳未満 4.2 各加盟校及び各準加盟校は、選手権競技者資格を有する者からなる選手登録名簿を申し込 み時に提出する。 4.3 クラシックの競技者数は、男子60名、女子40名とし、別に定める規則によって各地区学連 に配分される。クラシックの競技者は、選手登録名簿に記載された者とする。 4.4 リレーの出場資格校は、日本学連の加盟校及び準加盟校とする。各加盟校及び各準加盟校 は、男女各々1チームをリレーに出場させることができる。リレーのチームは、選手登録 名簿に記載された者により構成される。但し、男子リレーに女子選手を出場させることが できる。 4.5 各加盟校及び各準加盟校は、選手登録者とは別に、選手を支援する者(チームオフィシャ ル)を同行させることができる。チームオフィシャルは、日本学連の加盟員、評議員、賛 助会員とする。各加盟校及び各準加盟校に認められるチームオフィシャルの人数は、以下 のとおりとする。  男子の選手登録に対して、   リレーにチームを出場させる場合  2名   リレーにチームを出場させない場合 1名  女子の選手登録に対して、   リレーにチームを出場させる場合  2名   リレーにチームを出場させない場合 1名 4.6 参加者は、自己の安全に対して自分で責任を負う。参加者が負った怪我、障害、損害につ いて主催者は一切責任をもたない。また、参加者が第三者に与えた損害についても参加者 自身が責任を負う。 第5条 要項 5.1 主管者は、インカレに関する必要な情報を、要項としてすべての地区学連及び日本学連事 務局へ送付する。 5.2 要項の発行時期は以下の通りとする。  要項1(11カ月前):   開催日、開催地、主管者の連絡先、競技責任者・大会コントローラーの氏名、立入禁   止区域  要項2(6カ月前):   日程、地図に関する情報(縮尺、等高線間隔、通行可能度表示)、テレインの標高(   コースの15%以上が1,200mを超える場合のみ)、トレーニングに関する情報、一般ク   ラス・併設大会がある場合その情報、観戦者のための情報、宿泊・輸送の情報、参加   費、申込方法、申し込み締切日、申し込み用紙  要項3(3カ月前):   地図表記、テレインの概要、概略のコース距離、概略の登距離、コース設定者の氏名、   採用するパンチングシステム、承認された実施規則の不適用条項と変更内容、その他   競技に関する留意事項  要項4(3週間前):   気象、スタート時刻、コース距離、登距離、特殊な位置説明、代表者ミーティングに   関する情報、集合場所、宿泊と輸送に関する情報 第6条 申し込み 6.1 インカレの申し込みは、所定の用紙によって、要項2に示された締切日までに行われる。 但し、選手登録名簿の変更は、大会開催の8週間前まで認められる。 6.2 クラシックにおいて、競技前日の12時までであれば、競技者を交替させることができる。 6.3 リレー参加校は、リレーの競技者と競技順を競技前日の16時までに提出する。競技者に不 慮の事故の場合、リレー競技開始1時間前までであれば競技者を交替させることができる。 但し、この場合は裁定委員の承認を必要とする。 第7条 トレーニングとモデルイベント 7.1 事前に実際の競技で使用するものに似たテレイン・地図でのトレーニングの機会が提供さ れることが望ましい。 7.2 少なくとも最初の競技の前日には、モデルイベントが提供される。モデルイベントでは、 実際の競技におけるテレインのタイプ・地図の質・コントロールの置かれる特徴物・コン トロール器具の設置状態・給水コントロールの設置状態・誘導区間のそれぞれの状況がわ かることが望ましい。 7.3 クラシックとリレーで異なる縮尺の地図を使用する場合、モデルイベントではそれぞれの 縮尺の地図が提供されることが望ましい。 7.4 電子パンチングシステムを使用する場合、モデルイベントにおいて実際の競技に用いる器 具の使用機会が提供される。 第8条 スタート順の決定とスタートリスト 8.1 クラシックのスタート抽選は、公平な立ち会い人の元で、あるいは公開で行われ、クラシ ック前日の代表者ミーティングが始まるまでに結果は発表される。 8.2 クラシックにおいては、スタート順等において配慮される競技者(シード選手)を設ける ことができる。シード選手は、インカレ開催2カ月前までに理事会が決定する。人数は男 子15名以内、女子10名以内とする。 8.3 リレーにおけるコースの組み合わせの抽選は公平な立ち会い人の元で、あるいは公開で行 われ、リレー前日の代表者ミーティングが始まるまでに結果は発表される。コースの組み 合わせは、最後の競技者がスタートするまで秘密にされる。 8.4 クラシックは、男女それぞれ1人ずつ同一の時間間隔でスタートする(タイムスタート)。 スタート間隔は、少なくとも2分間はとるものとする。 8.5 リレーのスタートは、マススタートとする。 第9条 成績 9.1 成績速報は、競技進行中順次掲示される。ゴール閉鎖後1時間以内にすべて掲示される。 9.2 公式成績には、失格者も含めすべての競技者が記載される。リレーの成績は、競技順・各 競技者の名前と所要時間・コースの分割方法と組み合わせも記載される。 第10条 調査依頼と提訴 10.1 各加盟校及び各準加盟校は、競技者、あるいは主管者の規則に対する違反についての調査 依頼することができる。調査依頼は、主管者に対し文書で行う。成績速報に関する調査依 頼は、ゴール閉鎖後1時間以内に行う。 10.2 調査依頼に対する主管者の回答に疑義がある場合、提訴をすることができる。提訴は裁定 委員会に対し文書で行う。 第11条 表彰 11.1 クラシック・リレーの各種目6位までを表彰する。 11.2 参考記録の者及び学校は表彰の対象とならない。 第12条 報告書 12.1 インカレ後3カ月以内に主管者は次の内容の報告書を作成する。  ・大会実施報告、スタート順と公式成績  ・大会コントローラーの報告  ・将来への提言 12.2 報告書は、すべての加盟校及び準加盟校、日本学連事務局、及び次年度の主管者に送付さ れる。 第2章 競技に関する規則 第13条 テレイン 13.1 テレインは、インカレのコース設定に適していなければならない。テレインの選定に際し ては、環境保護に十分留意しなければならない。 13.2 特定の競技者が有利になることがないように、インカレ以前には出来るだけ長い期間、オ リエンテーリングに使用されていないものとする。 第14条 コース 14.1 インカレのコース設定にあたっては、IOFの『コースセッティングの原則』に従う。 14.2 コースの水準は、インカレに適格でなければならない。 14.3 コントロールを回る順番は、主管者によって指定される。競技者は、これを守り、主管者 はこれを確認する。 14.4 コース上の誘導区間は、競技者は必ずこれをたどるものとする。誘導区間の開始地点には 必ずコントロールを置く。 14.5 男子コースと女子コースは、可能な限り別のコントロールを用いる。 14.6 選手権以外のコースがある場合、可能な限りコントロールは別のものを使用する。 14.7 リレーでは、コントロールは分割され、チームごとに別々に組み合わされる。全チームが 順番は異なっても、全体としては同一のコースを回る。組み合わせは、全区間にわたるこ とが望ましい。 14.8 主管者は、環境保護のための指示を競技者に与えることができる。競技者はこれを厳守し なければならない。 第15条 距離と登距離 15.1 コースは、以下の優勝時間を想定し、設定される。           男子 女子  クラシック    80分 65分  リレー(各競技者)40分 45分 15.2 コース距離は、スタートからすべてのコントロールを経由してゴールまでの直線距離で示 される。ただし、物理的に通行不能な障害物(高いフェンス、湖、通れない崖等)、立ち入 り禁止区域および誘導区間は、迂回した距離で測定する。 15.3 コース距離は以下の要項ではさらに正確に発表される。  ・要項3:概略のコース距離  ・要項4:実際のコース距離 15.4 登距離は最も速く走れると予想されるルートの登距離で示される。登距離は最も速く走れ ると予想されるルートの距離の6%を越えないように設定される。 15.5 登距離は以下の要項ではさらに正確に発表される。  ・要項3:概略の登距離  ・要項4:実際の登距離 第16条 地図 16.1 地図はIOFの「国際オリエンテーリング地図規定」に適合したものを使用する。特別な 表記の使用は、大会コントローラーの同意を必要とする。これらの変更点は、要項3に明 記される。 16.2 地図印刷後に生じたテレイン内の変化のうち、競技に影響を与えるものは地図上で修正さ れる。 16.3 クラシックに使用する縮尺は1万5千分の1で、等高線間隔は5mとする。テレインを適 切に表現するための、これと異なる縮尺、あるいは、等高線間隔の使用は、大会コントロ ーラーの同意を必要とする。 16.4 リレーに使用する縮尺は1万分の1あるいは1万5千分の1で、等高線間隔は5mとする。 テレインの性質、コース設定、競技上の制約等を考慮し、大会コントローラーの同意をも とに適切な縮尺を選択する。これと異なる縮尺、あるいは、等高線間隔の使用は、大会コ ントローラーの同意を必要とする。 16.5 競技に影響を与える恐れがあり、かつ、地図からは読み取れないテレイン内のコンディシ ョンについては、遅くとも要項4で発表される。 16.6 競技用地図は、水分や損傷に耐えるように両面が保護される。 16.7 競技に使用するテレインに過去のオリエンテーリング地図がある場合、これらの地図は、 競技に先立ってすべての加盟校及び準加盟校に公開される。 16.8 競技当日は、主管者の許可が出るまでは選手登録者及びチームオフィシャルが競技区域の いかなる地図を利用することも禁止する。 第17条 地図上でのコースの表記 17.1 競技用地図は、以下のように表記される。  ・オリエンテーリングの開始地点は、正三角形(1辺7mm)。  ・コントロールは、円(直径6mm)。  ・ゴールは、2重同心円(直径5mmと7mm)。  ・誘導区間は、破線。 17.2 三角形、及び、円の中心は特徴物の正確な位置を示す。コントロールフラッグが特徴物の 周囲に設置される場合でも、特徴物を中心として印刷される。 17.3 コントロールは、回る順番を指示するために、南を下にして正立された数字によって示さ れる。 17.4 誘導区間がある場所を除き、三角形と円は、直線により、順番に結ばれる。コントロール の円とそれを結ぶ直線は、重要な地図上の表現を見えにくくする場合には、部分的に直線 を切ったり、細く描いたりすることができる。 17.5 誘導区間はすべて地図上に示される。誘導区間の終端から再びオリエンテーリングを開始 する場合は、地図上で破線の終端と次のコントロールが直線で結ばれる。 17.6 コース印刷においては、透明な赤紫色、あるいは赤色を使用する。 第18条 その他の追加表記 18.1 危険回避のための立ち入り禁止の範囲は、斜めクロスのハッチングをする。その他の理由 による立ち入り禁止の範囲は、垂直のハッチングをする。外郭線は以下のように表記され る。  ・現地でテープなどが連続して表示される場合は、実線。  ・現地でテープなどが間隔をおいて表示される場合は、破線。  ・現地で表示のない場合は、外郭線を記入しない。 18.2 通行禁止のルート(自動車道など)は、×の連続で表す。 18.3 外向きの2つの括弧)(は、コースに関した重要通過地点、経路(例:渡河地点、道の下 のトンネル)を示すのに用いられる。 18.4 追加表記の色は、コースと同一の色とする。 第19条 コントロール位置説明 19.1 コントロールの位置説明はIOFの「コントロール位置説明作成規程」に従って作成する。 19.2 クラシック、及びリレーのコントロール位置説明表は、地図の表面に貼付されるか、印刷 される。 19.3 クラシックのコントロール位置説明表は、クラシック前日の代表者ミーティングが始まる までに参加各校の代表者に配布される。 19.4 リレーで使用されるすべてのコントロール位置説明の一覧は、リレー前日の代表者ミーテ ィングが始まるまでに参加各校の代表者に配布される。但し、コントロールのつながりに ついては表示されない。 第20条 現地における表示 20.1 誘導区間は、赤と白の2色のテープにより示される。 20.2 立ち入り禁止区域の外郭が表示される場合、青と黄の2色のテープにより示される。 第21条 コントロールの設置と器具 21.1 すべてのコントロールには、コントロールフラッグが設置される。 21.2 コントロールフラッグは、3つの正方形を三角柱状に結合した形とする。それぞれの面は、 およそ30cm×30cmで、対角線によって2分して白とオレンジに色分けする。 21.3 コントロールフラッグは、地図上に示された特徴物の場所に、競技者が特徴物にたどり着 いたときに見えるようにして設置される。 21.4 コントロールは、お互いに30m以内に近接して設置してはならない。さらに、特徴物が同 じコントロールは、お互いに60m以内に近接して設置してはならない。 21.5 コントロールは、その場所に競技者がいるかいないかで難易度が変わらないような場所が 望ましい。 21.6 すべてのコントロールは、数字によるコントロール識別番号で区別される。コントロール 識別番号は白地に黒で書かれ、数字の高さは5〜10cmで、太さは5〜10mmとし、競技者が はっきり読めるように示される。 21.7 コントロールの器具は、コース上のすべてのコントロールで同一のものを使用する。充分 な数のパンチもしくはユニットをコントロールフラッグのすぐ近くに設置する。 21.8 コントロールは、有人であることが望ましい。コントロール役員は、コントロールを通過 した競技者のナンバー、及びチェックした時刻を記録する。また、コントロール役員は競 技者を邪魔したり、タイム・順位・その他の情報を与えてはいけない。さらにコントロー ル役員は、静粛に、目立たない服を着用して、競技者がコントロールに接近するのを手助 けしてはならない。これらの規則は、ラジオやテレビコントロール役員、給水コントロー ル役員、報道関係者にも適用される。 21.9 優勝設定時間が60分を超える種目は、給水コントロールを設ける。給水コントロールには 飲料水が用意される。 第22条 パンチングシステム 22.1 使用するパンチングシステムは別にこれを定める。 22.2 コントロールカードは、クラシック、リレーとも競技前日の代表者ミーティングが始まる までに参加各校の代表者に配布される。電子コントロールカードを使用する場合は、クラ シック、リレーとも競技開始に先立って競技者もしくは参加各校の代表者に配布される。 22.3 競技者は、各コントロールにおいて用意された器具を用いてコントロールカード(電子コ ントロールカードを含む)に正確にパンチする責任を有する。正確なパンチを故意に怠る ことにより利を得ようとした競技者は、失格とされる。 22.4 主管者は、いくつかの指定したコントロールで、役員による競技者のコントロールカード 検査、及び役員の手による記印を行うことができる。 22.5 コントロールカードにパンチされていない、あるいは、判別できない場合、この競技者は 失格となる。但し、その理由が競技者の過失でないもの(パンチ・ユニットの不調や紛失 など)であった場合は、失格とならない。 第23条 スタート 23.1 クラシックはプレスタート方式とすることができる。この場合、競技者がスタートへゆっくり走っていって間に合うようにプレスタートを設定する。 23.2 クラシックでは、競技者はスタートと同時に自分で地図を取る。 23.3 リレーでは、第1競技者はスタートと同時に、以降の競技者はスタート後の地図の支給地 点で、自分で地図を取る。 23.4 正しい地図を取るのは競技者の責任である。主管者は、競技者が他の競技者によって妨げ られることなく地図を取れるように配慮し、競技者が間違った地図を取らないように充分 注意する。 23.5 すべての競技者は最低30分のウォーミングアップをする時間を取れる。スタート前の競技 者とチームオフィシャル以外はウォーミングアップエリアに入れない。ウォーミングアッ プエリアは、スタートのできる限り近くに設定する。 23.6 オリエンテーリングの開始地点は、地図上で三角のスタート記号で示される。現地にはコ ントロールフラッグを置く。 23.7 オリエンテーリングの開始地点は、地図面あるいは先行する競技者のルート選択が、スタ ート前の競技者その他に見えないような場所に設定される。必要に応じて、スタートから オリエンテーリングの開始地点までを誘導区間とすることができる。 23.8 競技者が自己の責によりスタートに遅刻した場合、到着次第すぐにスタートすることがで きる。この場合、正規のスタート時刻にスタートしたものとして計時される。但し、正規 にスタートする競技者に影響を与える恐れのある場合には、スタートを遅らせることがで きる。 23.9 主管者の責により競技者が遅刻した場合、競技者は、新しいスタート時刻を与えられる。 23.10 リレーでは、次競技者は引継を受ける3分以上前に、前競技者が近づいたことを告知され る。但し、主管者は告知に問題があっても責任を負わない。 23.11 リレーにおいて、次競技者への引継は、計時線を越えたあとの指定された区域(チェンジ オーバーエリア)で、両競技者の接触により行う。 23.12 リレーにおいて、運営を円滑に行うために、優勝の決定後であれば、未出走の競技者をマ ススタートで出走させることができる(ウムスタート)。 第24条 ゴール 24.1 計時線はゴールへの走路に対して直角とする。 24.2 「ゴール」の表示は、競技者が遠くから計時線を識別できるようになっていなければなら ない。 24.3 計時線を通過した競技者は、コントロールカードと、パンチ記印のついたあらゆるもの( 例:コントロールカードケースなど)をゴール役員に手渡す。リレーでは、地図とコント ロール位置説明表も手渡す。 24.4 ゴール閉鎖時刻は事前に発表される。 24.5 ゴール地点には救護所を置く。 第25条 計時と順位 25.1 ゴール時刻は、計時線のところで計られる。その時刻は、競技者の胸が計時線を横切った 時刻、あるいは競技者が計時線上でパンチした時刻とする。計時は秒単位まで行う。秒以 下については切り捨てる。タイムは、時・分・秒、あるいは、分・秒のどちらかで表示さ れる。 25.2 コントロールを抜かした場合(あるいは、間違ったコントロールをチェックした場合)、 また、指定された以外の順番でコントロールを回ったことが判明した場合には、競技者は 失格となる。 25.3 クラシックでは、2人以上の競技者が同タイムの場合、これらの競技者は同順位となる。 成績表・報告書の中で彼らは同順位となるが、スタート順に並べられる。また、この場合 次の順位は空位とする。 25.4 リレーでは、チームの全競技者の合計タイムがそのチームの成績となる。チームの順位は、 最終競技者のゴールした順番により決定される。着順判定員が順位判定を下す。同着はな い。 25.5 ウムスタートをしたチームは参考記録とする。 25.6 競技時間は、クラシックでは2時間30分までとする。この時間を超えた競技者は失格とする。 リレーでは男子は5時間、女子は4時間30分までとする。この時間を超えたチームは失格 とする。 第26条 服装と用具 26.1 主管者が定めない限り、服装の選択は自由である。 26.2 ナンバーカードは、競技中常にはっきり見えるようにして、胸と背中に着用する。ナンバ ーカードの大きさは、25×25cmを超えないものとする。数字は、最低でも10cm以上の高さ が必要である。 26.3 競技中は、コンパス、時計と、主管者から支給された地図、コントロールカード、コント ロール位置説明表のみ使用してよい。その他のオリエンテーリングの技術的な補助器具の 使用は禁止する。 第27条 競技上の公正 27.1 インカレに関与するすべての者は、公正と正直を旨に行動しなければならない。スポーツ 精神と友情を忘れてはならない。競技者は、他の競技者、役員、報道関係者、観客、テレ インや大会区域に居住する人たちを尊重しなければならない。 27.2 主管者は、大会コントローラーの同意を得て、前もって競技を行うテレインの位置を公表 するとともに、立入禁止区域を設定することができる。テレインの位置を公表しない場合、 すべての役員は、大会区域とテレインを厳重に秘密にしておかなくてはならない。 27.3 選手登録者及びチームオフィシャルは、競技を行うテレインにあらかじめ立ち入ることは 禁止される。主管者により発表された事項以上のコースに関する情報を得ようとすること は禁止される。 27.4 競技中は、以下の行為を禁止する。  ・外部からの助力を得ること  ・共同で走ったり、方向決定を行うこと  ・故意に他の競技者を追走し、その競技者の能力を利用しようとすること  ・他の者から情報を得ようとすること 27.5 競技者は、一度計時線を越えたら、主管者の許可なく競技区域に入ってはいけない。 27.6 棄権した競技者は、ゴールを必ず通過し、コントロールカードを主管者に渡さなければな らない。また、この者は、決して競技に影響を及ぼしたり、他の競技者を助けてはならな い。 27.7 あらゆる種類の移動手段の利用は禁止される。 27.8 参加者及び主管者は競技を妨害してはならない。 27.9 インカレ実施規則を犯したことが判明した競技者は失格となる。 第3章 運営に関する規則 第28条 インカレ実行委員会 28.1 インカレは、インカレ実行委員会が主管する。 28.2 インカレ実行委員会は、当該インカレの2年前までに理事会の承認のもとで組織される。 第29条 秘密保持 29.1 主管者、大会コントローラー及びその補佐、その他テレインやコースを知る者は競技上の 公正さを保つための秘密を保持する義務を負う。 第30条 経費 30.1 インカレ運営に関する経費は、主催者が支出する。 30.2 主催者は、参加者から参加費を徴収することができる。 第31条 裁定委員会 31.1 裁定委員会は、異なる出身校の3名で構成される。裁定委員は、理事会が指名し、開会式 が始まるまでに全員の氏名が公表される。裁定委員は、大会組織に関与してはならない。 31.2 裁定委員会の審議には、大会コントローラーと主管者の代表は参考人として出席すること ができる。 31.3 裁定委員会は、大会中に起きた規則あるいはその他の問題に対する提訴に裁定を下す。裁 定委員会の審議は、3人全員の出席をもって成立する。任務を遂行できない裁定委員があ ったときには、理事会は代理を指名しなければならない。 31.4 裁定委員会の判断は最終的なものである。 第32条 大会コントローラー 32.1 大会コントローラーは、日本学連を公式に代表し、主管者に対して派遣される。大会コン トローラーの主な任務は、インカレ実施規則が遵守されていることを確認することである。 また、必要のある事項については技術委員会との協議を行う。 32.2 大会コントローラーは、技術委員会の助言のもとに、技術委員会の委員の中から理事会が 指名する。指名は、当該インカレの2年前までに行われる。 32.3 大会コントローラーは、インカレが適正に行われるように、少なくとも以下の任務を遂行 する。  ・テレインの適格性を判断すること  ・地図が規定に合致しているか確認すること  ・地図の正確さ、作図・印刷の妥当性を確認すること  ・コースの適格性(距離、競技時間、難易度、コントロール位置と設置状態、偶然性の   排除など)を判断すること  ・リレーのコースの分割方法と組み合わせが適切かどうか確認すること  ・コントロール位置説明が適切かどうか確認すること  ・スタート、ゴール、チェンジオーバーエリアのシステムとレイアウトが適切かどうか   確認すること  ・スケジュール全体(宿泊、食事、輸送、日程、費用、トレーニングの機会)を確認す   ること  ・競技への影響の可能性の観点から、報道関係者、観客等に対する処遇を確認すること  ・式典が適切かどうか確認すること  ・運営組織、人事、会計及び競技運営全般を確認すること 32.4 インカレ開催中、大会コントローラーは、大会会場に常駐し、以下の任務を遂行する。  ・主管者に対して助言を与えること  ・裁定委員会の提訴に関わる審議を補佐すること 32.5 大会コントローラーは、以上の他に自分の裁量で、インカレの準備と実行に関係ある活動 を確認する。 32.6 大会コントローラーは、必要に応じて任務を補佐する者を指名することができる。大会コ ントローラー補佐は、特に、地図作成、コース、イベント、運営組織、人事、会計、スポ ンサー等のうち、大会コントローラーが必要と考える分野において、任務を補う。 32.7 大会コントローラーと大会コントローラー補佐に関わる経費は、主催者が直接に支出する。 第33条 報告 33.1 主管者は、当該インカレ開催後2週間以内に大会コントローラーに以下のものを送付する。  ・公式成績  ・各種目のコース図および全コントロール図  ・その他必要と思われる資料 33.2 大会コントローラーは、当該インカレ開催後3カ月以内に幹事会、理事会及び技術委員会 にその活動の報告を送付する。 33.3 主管者は、すべての要項とプログラム、大会報告書を日本学連事務局に送付する。日本学 連事務局は、これらを資料として保存する。 第34条 メディア・サービス 34.1 主催者および主管者は、メディア取材者に対して、報道するに好都合な機会を提供するこ とが望ましい。 34.2 主管者は、競技の公平さを損ねない限りにおいて、メディアの報道のために最大限の努力 をすることが望ましい。 第35条 改正 35.1 本規則の改正は総会の議決による。 第36条 施行 36.1 本規則は1991年4月1日より施行する。 36.2 本規則は2002年4月1日より改正施行する。 1991年3月18日制定 1993年3月15日改正 1996年3月11日全文改正 2001年3月12日改正 2001年11月24日改正 2002年3月11日改正