Nagano-3days 運営上の工夫について
競技責任者:利光良平
1997年11月
 
 
 Nagano-3daysにご出場いただいた皆様ありがとうございました。長野県協会では、本大会の開催に当たり海外の大会を参考として準備を進めてきました。海外から様々な情報を求め、海外に対しても情報を発信しました。その結果、海外6か国からの参加者を迎え、一地方の県協会であっても国際大会を充分開催し得ることをご覧いただけたかと思います。今後、より多くのクラブや組織でこのようなイベントを開催するようになれば、日本のオリエンテーリングも真に世界のオリエンテーリングの一員となることができるでしょう。
大会後、各方面から本大会の運営について、お問い合わせをいただきました。そこで、Nagano-3daysの運営上の工夫についてまとめてみました。今後、大会を開催される皆様のご参考になれば幸いです。 
   
国際広報

 Nagano-3daysでは、国際OL連盟(IOF)のOrienteering World誌と英国OL連盟の機関紙Compass Sport誌の大会カレンダーに大会の情報を掲載してもらいました。実際にはそれほどの外国人参加者は来なかったのですが、このような国際広報をすることは、世界中のオリエンティアに日本でも活発にオリエンテーリングが行われていることを示すことにもなりますので、今後、公認大会や複数日大会の主催者の方々に引き継いでいただければと思います。1997年度では,Queen's castle Iwamura 2daysとNagano-3daysが次のような形で国際広報されました。

Sep 13-14 Queen's Castle Iwamura 2-days,Nagoya,Japan
Club Relay(team of 6)and classic race.
Takahashi Ichiro.........address......
fax:xxxxxxxxxx
Nov  1-3   Nagano 3-days,Sugadaira,Japan
Pre-Winter Olympic Games 3-day foot-O meet.
CD 10.9.97.  Ryohei Toshimitsu....address.....
fax:xxxxxxxxxx   e-mail:xxxxxxxxxxxxx
注)CD:Closing Date 締切日

1998年について,IOFのOrienteering World誌は次のところで大会情報を集めています。リストに情報を載せるだけならば無料です。リストは英国のCompass Sport誌の大会カレンダーにもリンクしています。
 fax:+44-181-255-0762 compass.sport@dial.pipex.com 

 
プログラム英語併記

 Nagano-3daysでは、国際広報などによって、韓国、香港、ロシア、スイス、フィンランド、イギリスからの参加者を迎えることになりました。そのため、必要最小限の情報について英語を併記しました。英語は日本語のベタ訳ではなく、なるべくシンプルな表記を心掛けました。

     
国旗の掲揚

 Nagano-3daysでは、国際広報などによって集まった外国人の所属国について国旗を購入し掲揚しました。日本人が海外の大会に行ったときにも多くの大会で国旗掲揚は行われています。

     
航空写真

 調査において、航空写真を図化したものを使用しました。菅平のようなオープンテレインでは大変有効であったと思います。独立樹やCoppice(日本語では「雑木林」というように「誤訳」されていますが、正しい意味合いは「小さな森」)をピックアップするのが簡単になりました。

     
スタートチャイマー

 ショートとクラシックのスタートで、電子パンチなどのメーカーとして知られるノルウェーのEmit社のスタートクロックをOLCルーパーよりお借りして使用しました。9月の岩村の大会で日本OL界初登場になる予定でしたが、輸送のトラブルで到着が遅れたため、Nagano-3daysで初登場となりました。国際仕様で音が6拍鳴るため4拍の時報スタイルに慣れている皆さんがフライングするのではとの心配がありましたが、特にトラブルはありませんでした。なお、クロスカントリースキーの大会では日本国内でもすでにこの時計は一般化されているようです。

     
大時計

 従来の長野県大会でも使用していましたが、今回もセイコーエプソン株式会社から大時計を借用して使用しました。視認性は抜群だったと思います。現在時刻を表示しました。

     
ストリーマー

 公認大会規則やインカレ規則では、テープの色が定められています。赤白が誘導を意味し、青黄が立入禁止を意味します。従来の国内大会ではそれぞれの色の荷造りテープを束ねてつけるなどしていましたが、切ったり付けたりする手間が掛かることと、視認性が悪いなどの問題点がありました。Nagano-3daysでは本場ヨーロッパの大会に習い、赤白及び青黄のストライプテープをスウェーデンOL連盟資材・教材部門から輸入し、使用しました。

     
ナイトO反射筒

 ナイトOでは10-Milaでも使用されている反射筒をOLCルーパーよりお借りして使用しました。この筒は、岩村大会直後の「根の上高原ナイト大会」に続き国内2回目の使用となりました。スウェーデンOL連盟ではこの筒をナイト競技で使うようルールに定められています。

     
ビニールシーラー

 Nagano-3daysでは、大多数のクラスで、地図をビニールにいれ、口を熱処理してパッキングしました。ホチキスでのパッキングと異なり、コンパスが影響を受ける心配がありません。大会では2台の機械を用意しました。1台はOLCルーパーより借用し、1台は自前のものを使用しました。慣れると口を折る必要のあるホチキスよりも作業効率が良く、密封・確実性も優れているので、大幅な効率アップとなりました。慣れれば1分間に5-6枚パックできます。機械は新聞誌上の通信販売などで出ている食品パックの物でも充分だと思います。A3サイズまで可能な大きな物は3万円強で東急ハンズのビニール袋売り場などでも販売されています。(白光株式会社製の卓上シーラーNo.310または311)

     
携帯電話による実況

 菅平高原はNTT DoCoMoの800MHzがサービスされていたこともあり、携帯電話を大会本部につないでテレイン内からの実況を行いました。会場側のアンプやスピーカがもう少し良ければもっと良い演出ができたと思います。会場に出走前の選手が残っているときは、情報を絞り、全員出走後は情報を全開にしました。コントロールフラッグ確認などの連絡も携帯電話で大幅に時間短縮することが可能でした。

   
リレーの耐水ゼッケン

本大会のゼッケンは耐水紙(タイベック紙)に熱転写プリンタで印字した物を使用しました。大会のかなり前から準備をしていました。
A4サイズのタイベック紙
カット紙は販売していないため、1000枚分を特注。\60000/1000枚  @\60)A4に2枚同じゼッケンを印刷し、カットしました。
熱転写プリンタALPS社のMDプリンタを使用しました。
色が黒とシアンとマゼンタのような原色しか使って無かったのはインクリボンを節約したかっただけです。レーザープリンタではタイベック紙は使えません。