スキーオリエンテーリング世界選手権2011 (スウェーデン・テンダーレン 2011年3月22-27日) 今大会の見どころ ------------------------------------------------------ 【男子】 ------------------------------------------------------ ロシアの戦力が充実している。 09年の日本世界選手権(WOC)でリレーの連覇を阻まれたものの、 今季のIOF世界ランクトップ10に5人が入っており、優勝争いの 中心になることは間違いない。 IOFランク1位のAndrey Grigorievは、ロシア杯ミドルで優勝。 日本WOC、今季の欧州選手権でも個人戦全て一桁順位の安定感 が際立つ。 長年ロシアチームの中心であったEduard Khrennikovは今季世 界ランク5位と彼にしては物足りない順位だが、02-03年に始ま り6季でIOFランク1位、WOC個人戦で過去7勝の実績は十分。 スキーO史上最高の選手の一人。 09年WOCでスプリント、ロングの2冠を達成し、イケメン選手と しても注目されたAndrei Lamaovは勝負強さが魅力。 若手も台頭している。 IOFランク3位のKiril Veselovは昨季まで目立った成績はない が、今季のスキーOツアーで2位4回の成長株。 このほかにも、Vladimir BarchukovやAndrei Cruzdevといった 実績のある選手が名を連ね、誰が出場しても優勝争いに絡む実 力がある。 09年WOCのリレーを制したフィンランドは2人のエースがチーム を引っ張る。 Staffan Tunisは今季欧州選手権のロングで優勝、ミドルとス プリントで2位スキーOツアーのオーストリア大会で2勝を挙げ るなど絶好調で、今大会の個人戦優勝候補筆頭。 07年、09年のWOCではともに2位と3位が1回ずつとあと一歩。 悲願の世界チャンピオンを目指す。 初出場だった09年WOCでミドル優勝、スプリント2位、ロング3 位と一躍脚光を浴びたOll-Markus Taivainenも、欧州選手権で ロング2位、スプリント3位と調子を上げてきている。 09年WOCではメンバーから外れたリレーでの活躍にも期待。 リレーメンバーの3番手はJanne Hakkinenか。 09年WOCの優勝メンバーであるTeemu Kongasと Matti Keskinarkausの両ベテランは今季はやや精彩に欠く。 ホスト国スウェーデンも2枚看板。 長年エース格として活躍するPeter ArnessonはWOCでは04年スウ ェーデン大会でのスプリント3位が最高。 今季欧州選手権のスプリントを制し、好調のまま2度目の地元開 催のWOCで頂点に挑む。 欧州選手権のミドルを制したのはErik Rost。 07-08年のIOFランク1位で乗りこんだ09年WOCではミドルの7位が 最高。 リベンジを期す。 この2人に続くのはMartin Hammarbergか。 リレーに向けては層の薄さが気になる。 個人では、ノルウェーのLars hol Moholdatにも注目。 今季スキーOツアーで1勝を挙げ、上位3カ国に割り込みたい。 アジア冬季大会で個人3冠を達成したカザフスタンの Michail Sorokinは、ロシア代表として出場した09年WOCでもロン グ12位に入った実力者。 ------------------------------------------------------ 【女子】 ------------------------------------------------------ スウェーデンとロシアの2強の熾烈な争いが予想される。 スウェーデンは地元大会でリレー連覇を狙う。 09年WOCのスプリントとミドルで2位、ロングで3位に入賞した Helene Soderlundは、今季もスキーOツアースロバキア大会で優 勝1回、2位1回で欧州選手権のロングも制した。 今大会でも優勝争いの中心。 Josefine Engstromは今季スキーOツアーで優勝1回、2位2回と安 定し、IOFランク2位。 09年のWOCではミドルでは3位に入賞している。 WOC初出場となるKajsa RichardssonはスキーOツアーのオースト リア大会ではロング2位、スプリント、ミドル3位で表彰台に上り 実力が安定。 リレーで女王奪還を狙うロシアは、男子と同じく層が厚い。 IOFランク3位のTatiana Kozlovaは過去のWOCは07年のスプリント 3位が最高。 今季はロシア杯のスプリント、ミドルの2冠を果たし、エースと してWOCに挑む。 05-06年から3季連続でIOFランク1位に君臨したTatiana Vlasova は、09年WOCミドルの覇者。 今季出場大会が少なくIOFランクは下位だが、欧州選手権でスプリ ント優勝、ロング2位と、確実に調子を上げている。 Natal'Ya Tomilovaは05年WOCのロング2位、09-10年のIOFランク1 位と実績は十分。 今季はスキーOツアー1勝。 09年WOCは欠場しており、2大会ぶりのWOCで初の頂点を目指す。 Polina Malchikovaは欧州選手権のスプリントとミドルでともに2 位入賞。 09年WOCのロングを制したAnastasia Kravchenkoも健在。 個人戦、リレーともに選手選考に悩む贅沢な布陣だ。 ここ数大会低迷していたノルウェーに復調の兆し。 エースのMarte ReenaasがIOFランク1位でWOCに臨む。 09年WOCではミドルの7位が最高だったが、翌09-10年のW杯イベント で3勝を挙げ急成長。 今季もスキOツアーオーストリア大会で3冠を果たし、欧州選手権で もミドルを制した。 Stine Olsen Kirkevikら2番手以降の活躍次第では、リレーの表彰 台が望める。 フィンランドは苦戦しそう。 ベテランのLiisa Anttilaは、過去のWOCでは04年のスプリントと07 年のミドルの2位が最高で、09年もスプリント5位が最高に終わるな ど、不思議に縁がない。 今季は主に国内大会に出場して調整。 09年WOCスプリントの覇者Hannele Tonnaが続く。 チェコは今季は目立った活躍がないが、Helena Randakovaら09年WO Cのリレーで3位に入賞したメンバーが出場する。 アジア冬季大会個人3冠のカザフスタンOlga Novikovaは、 ロシア代表として07年WOCスプリントで2位の実績がある。 アジア勢初の表彰台にも期待される。