ルート分析結果

セレクションコースの1レッグを用いてルート選択の傾向と結果を分析してみました。

分析の前に、クイズを一問。
どのルートが一番短く見えますか?


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地図があることで最短ルートが見えにくくなることがあると思います。
形で最短ルートを判断できる練習もしましょう。

1.選択の傾向

 半数以上がCを選択しています。これにEを加えると80%以上となり、その他の2名も別の道をつないでいるようですので、出来るだけ道をつなぐという傾向が見られます。

 Eの手前で小道に乗りかえるその他パターンがもっと多いか(距離は若干短縮するので)と思いましたが、同じランクの道を走り続けることが選択されているように感じられます。
なるべく走行中の判断を少なくしたいということでしょうか?

 競技暦はあまり関係ないようです。

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2.所要タイム

 5つのルートを以下のルールで4人で走ってみました。

  1. これから走るルートを逆走して、スタートコントロールへ向かう(ミスによる影響をなくすため)その後にルートタイムを計測する。
  2. できるだけ同じペースで走る。
  3. 走る順は同じにならないように工夫して疲労の影響を避ける
もっとも走者によるバラツキが少ないEのタイムを基準として、各ルートタイムがそれの何パーセントに当たるかを計算し、平均と標準偏差を出してみました。


距離 登り 急斜面距離 距離% 急斜面換算 測定平均 標準偏差
904 30 68.2 114.9 122.0 118.5 5.9
764 25 60.6 97.1 103.5 101.9 4.4
766 30 60.6 97.3 103.7 101.5 2.6
703 30 45.5 89.3 93.9 100.2 6.2
787 35 30.3 100.0 100.0 100 0

明らかに距離が伸びてしまうAは118%となります。その他については、B・C若干遅く、Dは殆ど同じという結果になりました。単純に距離の差からすれば、BやCは若干速くなりそうですが、急斜面距離を2倍換算して計算すると(速度が半分以下に落ちると計算する)、実測値に近い値になります。
各走者間でのばらつきを表す標準偏差ではAとDが高い値を示し、道への乗換えや林に入るところでの減速(判断の遅れ)および林でのラインの選択が影響したものと思われます。

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3.考察

 速いルートを選ぶ上では、まず距離が短いルートを選択するということが大前提です。
距離が伸びればその分タイムが遅くなるのは当たり前です。次に、減速要素の少ないルートを選ぶ必要があります。急斜面はもちろん、藪を切る場合にはその距離も(Cではやはり倍にする必要があるでしょう。)換算して考えられるといいと思います。
 速い走行スピードと判断を要求されるスプリント競技では、判断の量を減らすという傾向が強いように思われます。あまり変わらないと思われれば、判断の少ないルートを選択するのが自然な流れと思われます。しかし、スプリント競技での4秒の差はかなり大きいし、Dを選択すれば単純に20秒の短縮の可能性があります。(林と道のはしり易さの違いはありますので、あくまで理論値ですが。)実際生タイムでは4人のうち2人はEと比較して10秒の短縮が見られます。)
 より速き走るためには判断を避けるのではなく、判断の速度や質を上げ、より速い(短い)ルートを選択できるようにすること、レースでそれを実践していくことが必要になると思われます。

4.余談

 ちなみにD(実はAも)が比較上速かったのは、某スプリントウーマンのMさんと私ですが、どちらもウインドウタイプ(目標を決めてそこまで走っちゃえ)タイプのオリエンテーリングを得意としている(していた)と思われます。手順が少なく判断が速いというわけでスプリントには向いているのでしょう。もちろんこの走りかたでは、走力がなければ結果がでないし、ラインタイプ(マップコンタクトを繰り返し特徴物をつなぎながら走る)の能力も高くなければ通常のオリエンテーリングではミスが多くなります。それぞれ不得意なタイプの練習をすると総合力は向上します。レースでは得意なことしかやらない傾向にありますので、練習のためのレース・結果のためのレースを分けて、レース参加を行うことをお薦めします。
強化事業委員長 吉田 勉